こんなところにIoT

「IIJ IoTサービス」を開始して1年半。身近な場所から、「こんなところに!?」といった意外な場所まで、さまざまなシーンで“IoT活用”が進んでいる。ここでは、IIJがこれまでに携わった案件や、独自に開発したIoTシステムなどを紹介する。

目次
  1. 会議室
  2. トイレ
  3. マッサージチェア
  4. 工場
  5. ガソリンスタンド
  6. 太陽光発電パネル
  7. 牛舎
  8. 電気ポット
  9. 電気メーター(スマートメーター)
  10. バス・タクシー
  11. レントゲン車
  12. 農業
  13. 空港
  14. 電柱

会議室

急な打ち合わせやダブルブッキング(!)で“会議室難民”になったことはありませんか?そんなとき、会議室にセンサーを取り付けて、使用状況をクラウド上にリアルタイムに収集し、スマートスピーカーと連動するようにプログラミングしておけば、「空いている会議室を教えて!」と、スピーカーに話しかけるだけで、空いている会議室を即座に教えてくれます。

トイレ

「トイレがどこも空いていない!」という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。特に男性が多い職場では、空いている“個室”を探してオフィス内を彷徨することもしばしば……。
そこでIIJでは、個室の使用状況を感知するセンサーとメッセンジャーアプリのボット機能を組み合わせて、トイレ運行システムを独自開発しました。その名も、トイレIoT「厠君」!メッセンジャーアプリを起動し、「厠君」に「w」(waitの意)と話しかけると、空いている個室を教えてくれ、仮に空いていない場合でも、空き次第、プッシュ通知が届く仕組みになっています。

花火大会など大きなイベントがあると決まって混雑する駅。ネットワークカメラで撮影した映像を介してホームや通路の混雑状況を可視化・分析し、交通整理員などにリアルタイムに知らせることで、構内の人流をコントロールして、安全対策をより立てやすくできます。さらに、混雑状況を利用者にも公開することで、迂回を促したり、混雑の緩和にも活用可能です。

マッサージチェア

温泉や商業施設に置かれたマッサージチェアには、通常、料金を入れるコイン箱が設置されています。これまでは、小銭がいっぱいになる前に1台1台、回収する必要がありました。それに対し、コイン箱にセンサーを取り付けておけば、現場に行かなくても箱にどのくらいお金が貯まっているのか把握でき、回収作業の負担軽減にもつながります(これと類似した機能が、自動販売機の“在庫確認・補充”にも活用されています)。
加えて、マッサージチェア本体にもセンサーを取り付けておけば、可動部の速度・回転数・振動などを計測して、機器の状態を把握できます。そして、閾値を超えた時点で、誤作動・故障の予兆があるとしてセンターに通知が届き、故障前に機器(部品)交換やメンテナンスを行なうことができます。さらに、マッサージチェア利用者の使用時間や嗜好などのデータを収集・分析すれば、製品開発の参考にもなります。

工場

モノづくりの現場では、機械はもちろん、環境や人など、さまざまな“モノ・コト”が複雑に連動しており、平時では問題にならないことが、少しの変調で重大な事故につながったり、生産性を著しく損ねてしまう原因になります。最近は、そんな現場でもIoTが活躍しています。

  • 人編

    資材の調達遅れで生産が滞る、トラブルの連絡が遅れて対応が後手に回る、引継ぎミスで作業が止まってしまう……こうした“人的”ミスやトラブルは、ネットワークカメラによる可視化、情報管理の自動化・チャット・音声認識といった機能を用いることで、発生リスクを軽減できます。

  • 環境編

    温度や湿度の異常により、製品・設備、そして作業者に悪影響がおよぶといったトラブルも、温湿度センサーを設置しておけば、設定数値を超えた時点で自動的に通知され、早期に制御・対処できます。

  • 機械

    作業者が作業場から離れてしまった、搬送経路にモノが置かれて搬送が止まってしまった、積荷完了後も搬出エリアにトラックが駐車したまま……そんな場面では、モーションセンサーがリアルタイムに異常を知らせ、生産効率・出荷効率の低下を防ぐことができます。

ガソリンスタンド

全体の店舗数は減少傾向にあるガソリンスタンドですが、セルフ式ガソリンスタンドは年々増加傾向にあります。そのセルフ式ガソリンスタンドでは、高額の釣銭が入った精算機を深夜に狙う窃盗事件が増えています。そこで、精算機にネットワークカメラを取り付けて、遠隔監視する仕組みが開発されました。
他方、冬の雪国では、暖を取るために灯油が欠かせません。ここでもIoT技術を活用して、軒先に設置された灯油タンクにセンサーと通信端末を取り付け、灯油が少なくなってきたら残量を通知するようにしておけば、灯油がなくなる前に給油車が駆けつけてくれます。これは個人利用者の便益のみならず、ガソリンスタンド運営者にとっても給油の頻度を必要最少限に抑えることができ、双方にとってメリットが生じます。

太陽光発電パネル

太陽光発電は、たった1片のパネルの不具合により発電効率が大きく下がるため、パネルの破損は深刻な問題となります。特に大規模な太陽光発電所は、人里離れた場所にあることも多く、駆けつけるのもひと苦労です。また、広大な敷地に設置されたパネルを1枚1枚チェックするのは骨の折れる作業で、人的コストもかさみます。そこで太陽光パネルにセンサーとネットワークカメラを取り付けてパネルを遠隔監視できるようにすれば、見回り点検の負担を軽減でき、発電効率の向上にもつながります。
一方、個人宅の屋根に取り付けられた太陽光パネルでは、どのくらいの電力を発電し、どのくらい消費したのか(あるいは、消費せずに売電したのか)を数値化し、スマホなどで簡単に確認できる仕組みが利用されています。

牛舎

牛のお産は分娩のタイミングが予測しづらいうえに、分娩時には事故や病気も起こりやすく、介助が必要となることもあります。酪農家にとって、お産の時期は心身ともに気を抜くことができないのです。そこで、お産を控えた牛のお腹や尻尾にセンサーやウェアラブルデバイスを取り付けて、体温や尾の動きなどを常時モニタリングすれば、分娩のタイミングを感知しやすくなります。こうした仕組みが広がれば、安全なお産はもちろん、人手不足の酪農家の負担を軽減し、畜産の生産性向上にもつながると期待されています。

電気ポット

毎日使う電気ポットにセンサーと通信機能を持たせたら、どんな利点が生まれるでしょうか?例えば、離れて暮らす家族が元気なのか、電話するほどでもないけど、少し気になるときなど、「今日も(元気に)電気ポットを使っているよ」と、教えてくれたら安心できるのではないでしょうか。IoTが離れて暮らす家族のもとへ、自動で使用通知を届けてくれるのです。

電気メーター(スマートメーター)

2016年4月、「電力小売」が全面自由化され、一般家庭でも電力会社を選べるようになりました。この自由化にともない、各社は差別化を図るために、消費者のライフスタイルに合わせたさまざまなサービスをスタートしており、なかには電力逼迫時に節電すると、キャッシュバックするというモデルも提供されています。
一方、こうした柔軟なサービスを実現するには、従来のような1ヵ月に1回の検針ではとても間に合わず、少なくとも30分毎の検針が必要となります。そこで、人がメーターの設置場所まで足を運ばなくても、遠隔から検針を実施できるように、電気メーターに通信機能を搭載した「スマートメーター」が普及し始めています。

バス・タクシー

バスやタクシーには、IoT技術を活用した最新のドライブレコーダーが搭載されています。これにより、危険運転を知らせてくれたり、今どのあたりを走っていて、次のバス停にあとどのくらいで到着するのかといったことが、スマホでわかるのはもちろんですが、そのほかにも走行距離やルートなど、その日の運行情報をセンサーが計測して、会社に提出する日報を自動で出してくれたりもします。
また、車内にあるデジタルサイネージにも通信機能が備わっており、視聴用コンテンツを自動で更新してくれます。車一つとっても、いろいろなところにIoTが活用されています。

レントゲン車

巡回型の健康診断や、近くに病院のない過疎地などで活用されるレントゲン車。以前は1日分のレントゲン写真を撮り溜めたのち、所定の医療機関に写真データが入ったSDカードを搬送して、内容を確認していました。それが最近では、レントゲン写真を撮影すると同時に医療機関に写真データを転送できるようになり、SDカードの搬送業務を省けるだけでなく、診察時間の短縮にも寄与しています。

農業

ビニールハウス内の温湿度・日射量・土壌の水分量などをリアルタイムに計測すれば、空調や水やりを自動化したり、設備に異常があった際もすぐに対処できます。
水田の水管理にもIoTが活用されています。水田では、水田毎に異なる水の減り方、風雨などの環境情報、稲の発育状況などを考慮しながら、水を入れたり抜いたりする必要がありますが、これまでこうした作業は、農家の経験と勘に頼っていました。それに対し、農業の“スマート化”の流れのなかで、水田に水位・水温センサーを設置して水の状態をリアルタイムに把握したり、センサーからの情報を受けて、水路の給水弁を自動的に開閉させて給水量を調整したりするといった新たな活用が進んでいます。

空港

空港など不特定多数の人が出入りする空間で、特定の人物を探したり、(検査場などの)一方通行を逆走する人を見つけたりするために、従来は警備員を配置して監視を行なっていました。そうした現場でIoTを活用した監視システムを導入すれば、カメラやレーザーが人の動きを感知して、逆走者を発見することはもちろん、複数のセンサーを連携させることで、同時に多くの場所の人流を計測・把握できるようになります。

電柱

薄暗かった帰り道で、ある日、ふと気がつくと「電柱の街灯が、明るいLEDに変わっている!」。そんな体験をされたことはないでしょうか?近頃は、電柱もIoTの力で進化しているのです。
例えば、人が近づいたときだけ明るく道路を照らす電柱、監視カメラを備えて通学路を見守ってくれる電柱、災害・気象情報を収集している電柱、フリーWi-Fiの機能を持つ電柱……等々、屋外に無数に存在し、常時電気を得ることができる設備として、電柱の潜在的価値が見直されています。

(イラスト/高橋 庸平)

インターネット関連の最新情報「IIJ.news」をお届けします

本記事が掲載されているIIJグループ広報誌「IIJ.news」は、インターネット関連の最新動向や技術情報をお届けする小冊子で、2ヵ月に1回発行しています。

定期購読をご希望の方には無料でお送りしますので、ぜひお申し込みください。

掲載内容はIIJ.newsページでご覧いただけます。

※IIJグループ広報誌「IIJ.news vol.147」(2018年8月発行)より転載」