コロナ危機に負けない「テレワーク」を実現するための課題とその対策

在宅や外出先でもオフィスと同じように仕事ができる「テレワーク」に取り組む企業が急速に増えています。働き方改革の流れに加え、新型コロナウイルスの感染抑止策として外出自粛が強く求められたことも大きな要因です。一方、利用の広がりとともに、テレワークを阻害する様々な課題も浮き彫りになってきました。ここではお客様アンケート調査から見えてきた課題をもとに、その効果的な対策を考察していきます。

目次
  1. 社会環境の急変を機に、テレワーク実施企業が一気に拡大
  2. 突貫対応によって浮き彫りになったテレワークの課題
  3. ネットワークトラフィックが逼迫し、安定した通信が困難に
  4. 「つながらない」「切れる」「遅い」を解消するVPNサービスとは

社会環境の急変を機に、テレワーク実施企業が一気に拡大

働き方改革は業務のムリ・ムダをなくすとともに、在宅勤務や時短勤務など柔軟な働き方を可能にし、業務の生産性向上を目指す取り組み。これを支える手段としてテレワークは非常に有効です。日本政府も朝夕の通勤ラッシュの混雑緩和につながるとして、テレワークを推奨しています。

そんな中、2020年夏に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックは、テレワーク普及の大きなターニングポイントになると考えられていました。大会期間中はインバウンドを含む大勢の観光客が日本を訪れるため、多くの企業がテレワークにシフトすれば、混雑緩和の打開策になると期待されていたからです。

実際、2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックでは、開催から1週間の間に約8割の企業・政府機関がテレワークを実施。ビジネスを止めることなく、交通渋滞の緩和に大きく貢献したといいます。

しかし、日本の場合、理想と現実には大きなギャップがあることが明らかになりました。IIJが2019年8月に実施したアンケート調査がそれを如実に物語っています。これは東京オリンピック・パラリンピック期間中の勤務形態予定を企業担当者に聞いたもの。それによると、テレワークを予定している企業は僅か6%にとどまり、過半数が「通常出社」との回答だったのです。

ところが、この状況は瞬く間に一変しました。きっかけは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大。日本でも不要不急の外出自粛を要請する緊急事態宣言が全国に発令され、東京都をはじめとする特定警戒都道府県では「出勤7割削減」が強く求められるようになりました。これによって、在宅でできる仕事はテレワークで行う流れが一気に加速したのです。IIJが全国のお客様を対象に今年4月に行った直近1週間のテレワーク実施状況調査からも、その傾向は明らかです。

調査ではテレワークの実施日を5日間と答えた企業が57%にのぼり、ウィークデイはほぼ毎日テレワークに切り替えた企業が6割近くを占めました。実施日が1日以上を含めると、その割合はおよそ9割。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、テレワークに対する“潮目”が一気に変わったことを裏付けています。

突貫対応によって浮き彫りになったテレワークの課題

テレワークの実施率は一気に上昇しましたが、一方で突貫故の課題も浮き彫りになっています。満足に準備ができていないままテレワークに突入した結果、様々な課題に直面しているのです。調査結果から見えてきた課題は大きく以下の5つがあります。

  1. 「いつもと違う椅子や机で勝手が違う」「モバイルPCのディスプレイが小さくて仕事がしづらい」といった物理アイテムに対する不満。
  2. 「仕事用の部屋がない」「家事や育児のために仕事に専念できない」といった労働空間の確保。
  3. 仕事の進捗や成果の評価指標、勤怠管理手法などが定まっていないことによる制度・労働管理の問題。
  4. 不慣れなテレワーク会議によるコミュニケーション品質の低下。
  5. テレワークを支えるネットワークやコミュニケーションツールに起因するIT環境の問題。

なかでも4と5は、業務を阻害する深刻な課題です。そのことは先の調査で行ったフリーコメントにも色濃く反映されています。「音声会議の品質が悪く、会話に時間がかかる」「リモート接続サービスのキャパシティ不足による、操作性の低下」「接続性や速度に問題があり、ファイル転送が遅く生産性が下がっている」「VPN接続が切れることが多い。都度、再接続を行うのが手間」などの意見が数多く上がっているのです。

社外からの社内システムやクラウドにリモートアクセスする場合は、セキュリティを考慮したVPNで接続する形態が一般的です。実際、先の調査ではVPNを利用している企業の割合は78%(一部業務での利用を含む)。実に8割近くがすでにVPNを整備しているのです。VPNは広く普及している一方、テレワークが急拡大したことで、看過できない課題が顕在化してきた――。それがコロナ危機に直面した企業の現状と言えるでしょう。

ネットワークトラフィックが逼迫し、安定した通信が困難に

では、なぜこのような課題が発生するのでしょうか。大きな要因の1つが、ネットワークトラフィックの逼迫です。緊急事態宣言を受け、不要不急の外出が控えられたことで、動画の視聴やゲーム、オンライン授業、テレワークの利用が拡大。ネットワークのキャパシティを超えるトラフィックが急増しているのです。

NTT東日本によれば、緊急事態宣言が発出された4月6日週の東日本全域のトラフィック総量は、新型コロナウイルス感染拡大による影響が出る前の2月25日週と比較し、平日昼間帯(9時~17時)で最大33%も増加しています。大手通信キャリアやベンダーが提供するVPNサービスでも障害発生が多数報告されています。これも新型コロナウイルス感染拡大によるトラフィックの急増と無縁ではないでしょう。

加えて、VPN自体のサービス品質も大きく影響しています。閉域接続で暗号化通信を行うVPNはセキュアである半面、「認証の手間がかかり、つなぐのが面倒」「切れやすく通信も遅い」といった課題が以前から指摘されてきました。一時的な用途や一部の限られた業務で利用するうちは、そういうものと割り切って使っているユーザもいたことでしょう。

しかし、多くの従業員がテレワークに移行したことで、業務におけるVPNの重要性は以前にも増して高まっています。重要な会議や機密性の高い情報のやりとりを行うのに「つながらない」「すぐに切れる」「通信が遅い」では安心して業務に専念できません。これはユーザのストレスになるだけでなく、テレワークの生産性を低下させる深刻な課題です。新しい働き方としてテレワークは既に定着しつつあり、この流れは“アフターコロナ”になってからも変わることはないでしょう。テレワークを支えるVPNの早急な見直しが必要です。

「つながらない」「切れる」「遅い」を解消するVPNサービスとは

IIJは安全・快適なテレワークに欠かせない、高品質かつ低遅延なVPNサービスを提供しています。それが「IIJフレックスモビリティサービス」です。

最大の特徴は電波状況が悪くなったり、一時的に通信不可になってもVPN接続を継続できること。ユーザが切断オペレーションをしない限り、つなぎ続ける「切れないVPN」を実現します。VPNの切断や再接続の操作により作業が中断されることが無くなるため、ユーザストレスを低減できます。

また一般的なVPNは着側の応答がない場合にパケットを再送するTCP方式ですが、ネットワーク品質が悪くなるとオーバーヘッドが大きくなり遅延を助長する要因になります。その点、IIJフレックスモビリティサービスはUDPをベースにした独自方式により効率よくパケットを配送するため、従来のVPNで課題となっていた「遅い」を解消します。

本サービスのベースになっているのが、米国ネットモーションソフトウェア社のVPNエンジン「NetMotion Mobility」です。Wi-FiやLTEの電波が弱くてもアプリケーションセッションが切れない技術で特許を取得しています。米国警察は警察車両の車載デバイス用暗号化通信に、このエンジンを採用しています。

米国は車社会。警察車両が不審車両を発見した際、追跡劇は高速で長距離に及ぶことがあります。その間に追跡車両の所有者情報や容疑者の犯罪履歴等を通信が途切れることなくスピーディに照会できる必要があります。また警察が扱う情報は非常に秘匿性の高いもの。外部への情報漏えいは絶対に許されません。NetMotion Mobilityは時速100kmの高速移動中でも通信が切れず、高度な暗号化により、厳格なセキュリティ要件もクリアしています。こうしたことから、米国では警察等の緊急車両を始め、エネルギー・運輸・フィールドサービス・ヘルスケア等の業界で幅広く採用されているのです。

このNetMotion Mobilityをベースに、IIJがクラウド型ネットワークサービスとして提供するのが「IIJフレックスモビリティサービス」です。クラウド型なので短期間で利用を開始できる上、トラフィックの急増に伴う帯域の増強など急なニーズにも柔軟に対応可能です。サービスの利用状況をもとに、常にリソースの増強にも努めています。「切れない」「遅い」を解消するだけなく、常に安定的にサービスを利用できるのもIIJフレックスモビリティサービスの特徴です。

在宅勤務が強く求められる中、テレワークの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。「切れない」ストレスフリーのVPNが、テレワークを支えるネットワークの“新常識”として急浮上しています。

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