ITインフラの運用に携わる人材不足を改善したい – オフィスITにまつわるお悩み解決

本記事では、ITインフラにフォーカスし、IT インフラの運用工数削減と、生産性向上に向けた解決策を提案する。

運用対象を減らすクラウド活用

ITに限らず、多くの業界で人手不足が課題となっており、従業員1人当たりの業務量は増加傾向にあります。また「働き方改革」に象徴されるように、長時間労働に対する問題も広く認知されています。そして、これら2つのテーマを解消するには、生産性向上の実現が不可欠と言えます。

一方、ビジネスモデルが多様化・高度化するにつれ、1社あたりのシステムの数は増える傾向にあります。システムと一口に言っても実際は、サーバなどのハードウェア、WindowsなどのOS、そのうえで動作するアプリケーションやミドルウェアなど、いくつものコンポーネントが連動して1つのシステムとして機能します。

システムの運用には、コンポーネント単位で異なる考慮ポイントや作業が必要となりますが、一般的にこの分野には人手を要する作業が数多く残されており、「システムが増える→運用コンポーネントが増える→運用者の負担が増加する」という構図になることが多いのが実情です。

そこで、まずは運用対象となるコンポーネントを減らすことができれば、工数の低減が図れます。現在はIaaSやSaaSなどのクラウドサービスにより、ハードウェアやOSの運用をサービス提供業者に委ねるケースも増えており、それだけで運用工数を大幅に削減できます。実際、クラウド活用は、運用工数削減の有力な選択肢の1つとして広く普及しており、IIJでも「IIJ GIO」というブランドでIaaSを提供しています。

自動化による工数削減

クラウドの活用によって管理対象レイヤが減るとはいえ、特にIaaSの場合、稼働している仮想サーバ自体の運用は利用者の責任範囲となりますし、さまざまな理由でクラウドを採用できないシステムも一定数存在します。従って、コンポーネントを減らすアプローチに加え、残った工数を削減することも検討しなければなりません。

IIJもアウトソーシングサービスを提供している事業者として、クラウドや物理機器に対する運用工数の増大に悩んできたのですが、その解決策として「運用をできるだけ自動化し、現場を楽にしよう」というコンセプトのもと、「IIJ統合運用管理サービス(UOM)」というクラウドサービスを開発し、自社でも活用しつつ、お客さまにご利用いただけるサービスとしても提供しています。このUOMは、特徴的な機能としてシステムで発生した事象に対し、あらかじめ指定した操作を自動で行なう「自動オペレーション機能」を搭載しています。

システムのエラーのなかには、運用ナレッジが溜まってくると、「このエラーはあのサービスを再起動することで直る」とか、「このログを取得すれば原因追究できる」といったように、ある程度対処方法が見えるものが少なくありません。UOMはこれを利用し、該当するエラーが発生した際、指定したスクリプトを自動で実行します。それにより、定型的な対処はシステムが自動で実行してくれるので、運用工数を低減できるのです。

システム運用の世界では、このような定型作業であっても、あらかじめ定められた手順書に沿って、人間が手作業で行なうケースが数多く存在します。IIJもこの定型業務による運用負荷の増大に悩まされていました。そこで、UOMを自社でも利用して運用を自動化し、それまで手動で行なっていた作業の約半分を削減しました。

さまざまなビジネスシーンで業務効率化が叫ばれるなか、工数の半分を削減できる領域はそう多くないと思われます。「システムは利用できて当然」という認識が強いこともあり、通常、運用の現場を意識することは少ないかもしれませんが、それだけに効率化の余地が多く残されているとも言えます。IT業界の人手不足解決の1案として、クラウド化と運用の自動化を検討してみてはいかがでしょうか。

(イラスト/高橋庸平)

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※ IIJグループ広報誌「IIJ.news vol.153」(2019年8月発行)より転載