はじめまして。IIJ新人営業の…
こんにちは。IIJ新人営業の川口です。ネットワークサービスを担当しています。<前回の記事>
良い質問ですね。確かにインターネットからも接続はできます。一方で、クラウドに対して「セキュアにつなぎたい」というニーズが当初から大きかったんです。それまでは社内で、オンプレミスで運用していた基幹システムに対してインターネットからつなぐというのは、セキュリティ的に不安を感じるお客様も少なくありません。
あとは、クラウド環境に対して「安定的につなぎたい」というニーズもあります。特に影響を与えたのはMicrosoft 365の普及です。社員それぞれがOutlookを開いたり、Teams会議をしたり、SharePointでファイル共有をしたり…ユーザ1人だけでもかなりのセッション数が発生します。これを今までのゲートウェイ環境で受けるとなると相当の負荷がかかり、他の通信にも影響してしまいます。今まではなかった通信をまるっと既存の環境に相乗りさせるのは、簡単なことじゃないんです。
そうですね。インターネットは共有のインフラであり、通信経路や帯域を企業側で制御できません。そのため、トラフィックが集中する時間帯や障害発生時には、クラウドへのアクセスが不安定になるリスクがあります。専用のクラウド接続サービスを利用し、クラウドサービスと企業のネットワークを直接つなぐことで、安定した通信品質を確保できます。
Microsoftとの協業から始まりました。当時はまだまだ基幹システムをオンプレミスで構えることが主流ではあったのですが、IIJは「これからはパブリッククラウドの時代が来るだろう」という雰囲気をいち早く感じていました。その中でMicrosoft側の「協業できるパートナーを探したい」という思いとマッチし、IIJとMicrosoftで手を組むことになりました。2014年、IIJは国内初のExpressRoute接続のパートナーとして選ばれているんですよ。
簡単に言うと、Microsoftのクラウドとお客様のネットワークを専用回線でつなぐサービスです。ExpressRouteを利用することで、通常のインターネット接続よりも安定的かつ信頼性高く、Microsoftのクラウドへアクセスができます。
評価いただいたのは、強固で安心なバックボーンのつくりです。先ほども言ったように、プライベートバックボーン(PBB)はどんな時でも使えるように厳重に作られています。安定したネットワークを設計する力・そのネットワークを運用する技術力を認めてもらいました。お客様としてもDR・BCP対応できることや、より柔軟かつ堅牢なネットワーク環境を構築するためにマルチキャリアを選択できることが、選ばれた理由の1つです。
お客様のニーズに合わせて、より広帯域に対応しました。クラウドサービスの利用が普及したことや、コロナ禍でリモートワークが増えたことが影響し、5Gbps、10Gbpsの広帯域を求めるお客様がそれまでに比べて圧倒的に増えました。従来の設備だと、お客様の要望に対して柔軟かつスピーディーに対応できなかったため、ネットワークや設備を含めて仕組みをゼロから変えることで、より広帯域なニーズにも柔軟に対応できるようになりました。
クラウドの利用状況に応じて、柔軟に接続帯域をコントロールできます。マルチクラウド環境が求められている中、各クラウドサービスとお客様のオンプレミス環境を1対1で接続するとなると、通信経路や管理が複雑になります。一方で、IIJ Smart HUBは各クラウドサービスのハブとなり、効率的な通信や管理を実現します。お客様は1つの管理画面から、オンデマンドで帯域変更を行えます。その時々の働き方や必要性に応じて、柔軟に設定を変えられるようになったんです。
リリースまではかなり苦労しました。IIJ Smart HUBは、NFV(Network Function Virtualization)という技術を用いてネットワーク機能を仮想化し、ソフトウェアとして汎用サーバ上に構築しています。それまでは、ソフトウェア基盤で作られたネットワークにはパフォーマンスの課題がありました。一方で、仮想のネットワーク環境は柔軟性・拡張性に優れています。どうにかして高いパフォーマンス性と柔軟性を両立できないかを考え、各種ベンダーの皆様と協力しながら実現に至りました。
もともとは、仮想ルータと物理サーバの間にある仮想スイッチがボトルネックとなっていました。この課題を解消するため、物理サーバのNIC(ネットワークインタフェースカード)を複数の仮想インタフェースに分割し、それぞれを仮想ルータに直接マウントする技術(SR-IOV:Single Root I/O Virtualization)を採用しました。これにより仮想スイッチでの処理が省略されるため、ボトルネックの解消に成功しました。
従来は物理ルータに複数のユーザを収容していたことで運用や機能拡張に制約がありましたが、このような技術を用いて、ユーザごとに仮想ルータを立てつつも高速通信を実現できるようになりました。結果として従来の制約を大幅に削減し、ソフトウェア基盤でありながら高いパフォーマンスを発揮しています。
Microsoftとの協業から始まり、IIJにはクラウド接続の歴史と確かな実績があることが分かりました。気になることがあればお気軽に