情シスにおけるChatGPT活用方法を「本人」に聞いてみた

今やメディアで見ない日はないChatGPT。ビジネスの現場でも活用方法が議論され始めています。
では、企業の情報システム部門ではどのようにChatGPTを活用できるのでしょうか?

目次
  1. ChatGPTに活用方法を聞いてみた
  2. 企業でAIチャットを安全に使うには
  3. Azure Open AIではネットワークも考慮する必要がある
  4. 最後に

ChatGPTに活用方法を聞いてみた

「餅は餅屋」ということで、ChatGPT本人に、情報システム部門がどのようにChatGPTを活用すべきか聞いてみました(GPT-3.5を利用)。

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「情報システム部門」と一口に言っても、担当範囲・役割は多岐にわたります。「情報システム部門」と主語を大きくし、前提条件を指定しないままに質問してしまった結果、イマイチな回答もいくつか見受けられました。ただし、下記は一般的な活用方法としてイメージしやすいのではないでしょうか。

3.システムトラブルシューティング:

ChatGPTを活用して、利用者がシステムのトラブルやエラーメッセージに関する質問をすると、適切な解決策やトラブルシューティング手順を提供することができます。

9.教育とトレーニング:

ChatGPTを使用して、社内の従業員や利用者に対して、新しいシステムのトレーニングや教育を提供することができます。ChatGPTが質問に対して適切な回答やデモを提供することで、効果的な学習環境を提供することができます。

10.ナレッジマネジメント:

ChatGPTを活用して、企業内の情報やノウハウを統合し、利用者が必要な情報に簡単にアクセスできるようにすることができます。ChatGPTが適切な情報を提供することで、情報共有や意思決定プロセスを支援することができます。

それでは今回は、トラブルシューティングについて深掘りをして聞いてみましょう。

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まだまだ、活用シーンをイメージしづらいです。活用例において、どのようにChatGPTに対して問いかけをすべきか聞いてみると、活用シーンをより具体化できそうです。

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情報システム部門からの問いかけ例、というよりはユーザ部門向けの問いかけ例が返ってきました。では、情報システム部門としてどのように問いかけたら良いか聞いてみましょう。

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「具体的な問いかけ例」まで深堀りして聞いてみると、実際の業務にどう活用できそうか具体的なイメージが湧いてきますね。ChatGPTとの会話を見ていただいて分かるとおり、1回目の質問で不明瞭な回答が返ってきたとしても諦めてはいけません。根気強く質問を重ねていくと、より自分が望んでいる回答に辿り着けるようです(対人コミュニケーションと同じですね)。

では、ChatGPTが例示した『2.情報システム部門: 「特定のアプリケーションがクラッシュしているとの報告があります。対処方法を教えてください。」』に則って、より実践的な質問をしてみたいと思います。今回は、ユーザから「Microsoft Teamsがクラッシュする」と報告があった場合を想定して、情報システム部門がどのように対処すれば良いか聞いてみましょう。

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より実践的かつ、具体的なトラブルシューティング方法を教えてくれました。今回、一例として“Microsoft Teams”について質問しましたが、他SaaS、アプリケーションに関する質問にも応用ができそうです。また、コンシューマ向けのChatGPTは一般的には社内システムとの連携が想定されていません。後述するAzure OpenAI Serviceを活用し、社内情報と連携する仕組みを整備できれば、各企業特有の事情・背景に沿った回答が得られるようになるでしょう。

企業でAIチャットを安全に使うには

企業でChatGPTのようなAIチャットを活用するのであれば、Azure OpenAI Serviceの検討をおすすめします。Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azure上で提供されるサービスで、現在ではOpenAIが開発したAIモデルをWeb APIとして活用できます。

コンシューマ向けのChatGPTとは違い、利用者データはAIモデルの学習に使用されません。また、禁止ワードの設定が可能であり、セキュリティやガバナンスの観点で企業利用に最適化されています。

ただし、単なるWeb APIであるため、単体で利用されることはありません。企業で利用するためには、社内システムとの連携や企業文化に適したプロンプトを考慮して構築する必要があります。

Azure Open AIではネットワークも考慮する必要がある

最初にChatGPTが教えてくれたように、社内からの問い合わせ、自社製品やサービスのナレッジなどの回答に活用できそうです。
こういった使いかたをする場合、内部情報とAzure OpenAI Serviceを接続する必要があります。

Azure OpenAI Serviceへの接続方法は、インターネット接続とプライベート接続の2つの方法があります。インターネット接続は手軽で簡単ですが、上記のような使い方を想定する場合、セキュリティの観点でプライベート接続を推奨します。

インターネット接続例

プライベート接続例

IIJ Omnibusサービス(SD-WAN)を活用すれば、サービスで提供しているプライベートバックボーンとExpressRouteを接続し、お客様環境からAzure OpenAI Service環境へのプライベート接続をマネージドで実現できます。

最後に

ChatGPTは公開されてまだ半年余りの新しいサービスです。それゆえ、企業利用にあたっての具体的な方法論についても、まだ議論が始まったばかりです。しかし、上手く活用できれば、多種多様な業務を劇的に改善する可能性を秘めていることは言うまでもありません。

現在、IIJ社内でも日々議論がなされています。ChatGPTの活用について、具体的な利用方法やシステム構成例についてお悩みがございましたら、ぜひIIJまでご相談ください。