【VMware利用状況を調査】コスト増に懸念の声が多数&将来を見据えてクラウド移行の検討も

IIJ サービスプロダクト推進本部 プロモーション部 マーケティング課

大利 真弘

IIJ法人サービスのマーケティング全般を担当。市場トレンドを的確に捉え、お客様に"今"必要なコンテンツを提供。メールマガジンのコンテンツ企画、ウェビナー・イベントの企画、アンケート調査に基づくデータ分析など、多岐にわたる業務に従事し、トレンドやニーズに応じた情報発信を行う。

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こんにちは。マーケティング担当の大利です。
IIJでは「ズバリアンケート」と称して、企業ITにおけるお客様の実態や課題に“ズバリ”切り込む一問一答アンケートを実施しています。
今回は「VMwareの利用状況」についてアンケートを実施しました。クラウド移行を検討する企業が増える中、VMwareをどのように活用しているのか、また今後どのような方向性を考えているのかなど、様々な回答が集まりましたのでご紹介します。

【アンケート調査の概要】

  • 調査手法:IIJメールマガジンの読者に対するWebアンケート
  • 調査期間:2025年6月30日~7月2日
  • 回答対象者:情報システム部門
  • 有効回答数:251件
目次
  1. アンケート結果
  2. 考察

アンケート結果

質問「仮想化環境にVMwareを利用していますか?」に対する回答の集計結果(IIJのアンケート結果より)

<サマリ>

  • Broadcom社のVMware買収による「コスト増」に、懸念の声が多数
  • コスト面だけではなく、サポート品質の低下を指摘する声も
  • 将来性を見据え、クラウド移行を検討する企業が多数

VMware環境について、現在感じている課題や今後検討していることを教えてください

ライセンスコストが数倍となり、価格やライセンスもコロコロと変わることへの不安からクラウドリフトも検討している状況。

【オンプレミスで利用している】
(40代/運輸業/課長、リーダー)

ライセンス費用だけでなく、機能や運用負荷も考慮した全体でのコスト算出の必要性

【オンプレミスで利用している】
(40代/教育・学習支援業/課長、リーダー)

ライセンス体系の見直しに伴う価格改定により、以前と比較してコストの上昇が激しい。今後の動き次第では、仮想環境の「刷新」も視野に入れ計画をしていかなければならない。

【オンプレミスで利用している】
(50代/医療・福祉/課長、リーダー)

2027年度に予定している次期サーバ更新が迫っている中、VMwareライセンス契約費用の高騰を受けて、現在のオンプレ環境からのクラウド移行ならびに別の仮想環境への移行を検討している

【オンプレミスで利用している】
(50代/卸売・小売業/部長、マネージャー)

クラウドリフトによるオンプレミス環境の縮小を計画中。

【オンプレミスで利用している】
(60代/製造業/部長、マネージャー)

ライセンス形態及び費用感がわからないので更新したくても出来ない。Hyper-Vも検討したが、オンプレではなく、クラウドに移行しようと思う

【オンプレミスで利用している】
(50代/卸売・小売業/課長、リーダー)

クラウドへの移行計画を前倒しで進めつつ、オンプレで継続するシステムはVMwareだけでなくHyper-VやHPE vm essentialsを比較し製品選定を予定している

【オンプレミスで利用している】
(50代/卸売・小売業/課長、リーダー)

ライセンス費用の見直しは必須と考えます。

【クラウドサービスとして利用している】
(50代/公務/課長、リーダー)

クラウドでもオンプレでも利用しています。クラウドは、ベンダーが値上げに耐え切れず早々に契約停止を発表。内容を変更した新規契約を年度末を目安に締結予定です。オンプレでは、タイミングよく冗長化を目的とした仮想サーバーの新設がありました。こちらは、Hyper-Vを導入いたしました。今後は新商品の出方を見守る所存です。

【クラウドサービスとして利用している】
(50代/製造業/課長、リーダー)

近年のVMwareのライセンス料金変更により、仮想基盤として安易にVMwareを選択する事が難しくなっている。それまでは利便性や安定性信頼性むろんコスト面も含めて、仮想基盤を構築するならほぼ自動的にVMwareだったが、長期的な計画を想定する際に不安要素がある。

【クラウドサービスとして利用している】
(50代/情報通信業/課長、リーダー)

クラウドへの移行を行っていますが、管理対象の増加に伴う運用形態の見直しが課題となっています。

【クラウドサービスとして利用している】
(40代/情報通信業/専門職)

次回(5年後以降)のサーバーリプレース時期にAzureに移行する予定

【クラウドサービスとして利用している】
(50代/情報通信業/課長、リーダー)

今後の検討事項としては、一部ワークロードのコンテナ化や、他のクラウドサービス(EKSやFargate)への移行を検討中です。

※ただ、既存のVM環境との互換性や移行工数を考えると、簡単には踏み切れないのが正直なところ。

あと、VMwareの技術サポートがクラウド環境だと少し薄くなった感じがして、障害対応時の初動が遅れがちなのも悩みどころです。社内の他部署からは「なんで高いVMwareにこだわるの?」と言われることも多く、技術的な説明と同時にコスト効率も求められるので、情シスとしては板挟み状態ですね。

【クラウドサービスとして利用している】
(30代/他のサービス業/専門職)

新マシンの構築にあたり多少の工数が発生している。

【クラウドサービスとして利用している】
(30代/卸売・小売業/課長、リーダー)

考察

今回のアンケートでは、コストに関する課題が想定以上に多く挙がった点が、特に印象的でした。VMwareのライセンス改定による影響は利用企業にとって大きく、コスト負担の増加に対する懸念が強まっていることが分かります。 また、技術サポート面では、障害発生時の初動対応の遅れに対する不安の声も寄せられました。こうした背景から、Hyper-Vなど他製品への乗り換えを検討している企業も複数社見受けられました。

更に将来性を見据え、クラウド移行を検討する企業が多いことも分かりました。クラウド移行に関連する回答の中でも「クラウドへの移行を行っていますが、管理対象の増加に伴う運用形態の見直しが課題となっています」といった声が印象的で、設計や思想の違いから、オンプレミスからパブリッククラウドへの移行にハードルを感じている企業も少なくないようです。パブリッククラウドでは、従来のオンプレミス環境とは異なる構成・運用が求められるため、計画どおりに移行を進めるのが難しいという現実があります。そのため、まずは既存のVMware環境をそのままクラウド上にリフトし、段階的に最適化していくアプローチが現実的だと感じました。

IIJでは、オンプレミス環境に近い操作性をそのままクラウド上で再現できる、VMware vSphere基盤のクラウドサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2」を提供しています。現在お使いの構成を大きく変更せずに移行できるため、パブリッククラウドへの移行に向けた第一歩として“クラウドリフト”を推奨しています。最小構成は1vCPU/4GBメモリからスモールスタートが可能で、段階的なクラウド移行にも柔軟に対応できます。サービスガイドブックとクラウド移行を検討する際のポイントをまとめた資料をセットでご用意していますので、ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。
引き続きいろいろなテーマで調査していく予定です!どうぞお楽しみに!