ファイルサーバのデータ棚卸し、しませんか? 環境調査ツールを開発して、実際に試してみた

ファイルサーバの運用は容量運用との戦いです。IIJではクラウド型のファイルサーバサービス「SCCloud with IIJ/ファイルサーバサービス」を提供しているため、ファイルサーバについてお客様と会話をすることが多いのですが、商談の場では下に挙げるような声をよく聞きます。

  • ファイルサーバの容量が増える一方
  • いつもユーザに、不要なファイルを消すようにアナウンスしないといけない
  • おそらく使われていないファイルが相当あるはず
  • すべてのフォルダに対してアクセス権が正しく付与されているかが分からない

特にファイルサーバのクラウド移行を検討されているお客様は、利用容量が料金に跳ね返るため、単純に今あるファイルすべてを移行するのではなく、できれば必要最低限にスリム化してから移行したい、とおっしゃいます。

実は私の部署のファイルサーバもお客様と同じような課題があります。
使っていないファイルデータは膨大にありそうですが、実態は分からないので今まで放置してきました。その結果、かなり容量が大きくなってしまいました……。

ちょうどファイルサーバのリプレース時期なのですが、さすがにこのまま移行するのはよくありません。そこで、ファイルサーバの環境調査ツールを開発して実際に分析を行い、リプレースに向けて今の状態を可視化してみました。

目次
  1. 環境調査ツールでできること
  2. 実際に試してみた

環境調査ツールでできること

1.利用状況の調査

既存ファイルサーバのフォルダ単位で次に示すような状況を調査できます。

  • ファイル数やフォルダ数
  • 全体の利用容量
  • 拡張子単位のファイル数と容量を可視化し、レポートを出す

2.アクセス権調査

フォルダ単位で、ユーザが設定したアクセス権を可視化します。
アクセス権の変更部分を抽出することで、社内ポリシーとの整合性をチェックできます。

以下のようなイメージで、権限付与の状況が可視化されます。

実際に試してみた

実際にこの仕組みを私の部署のファイルサーバで試してみました。

これはフォルダ単位の利用容量とファイル数です。これを見ると「プロモーション」というフォルダで28.29%、「各施策」というフォルダで23.36%、合計するとこの2つのフォルダで全体の約51%、つまり半分の容量を占めていることがわかりました。データ削減をする際は、容量が大きいフォルダから手を付けていくのが定石なので、このデータはファイル整理の参考になりました。

次に拡張子単位の確認をしてみます。

4割程度がMicrosoft PowerPoint(pptx)のファイルですね。PDFも合わせるとこの2つで50%程度になります。この結果は想定通りの使われ方かと感じました。想定外のビデオファイルや画像ファイルが多いなどの結果が出てしまった場合は、エンドユーザの利用運用まで含めて再検討が必要だったかもしれません。

更に、更新日時を確認します。

なんと、1年以上更新されていないデータが約9割近く、その内3年以上更新されていないデータは約3割もあることがわかりました。

そもそも3年以上未更新のデータが必要なのか?は疑わしいですし、仮に必要な場合でもアーカイブしておけばよいなど何かしら効率化はできそうな気がします。

今回はIIJ社内のファイルサーバで試してみましたが、きっと同じような状態のお客様も多いと思います。ぜひ、リプレース前にはこのような棚卸しをしてみてください。

また、「SCCloud with IIJ/ファイルサーバサービス」の実際の導入事例として、他社ファイルサーバの管理ツールを合わせて導入し、3年以上未更新のデータは自動的に安価なアーカイブ領域に移すなど、導入後も低工数で容量を最適化する環境を構築したケースもあります。

せっかくお金をかけてリプレースするなら、今よりもより良い構成にして、運用負荷低減やファイルサーバ利用の最適化を図りたい、というお客様はこういった導入方法も併せてご検討くださいね。

本コラムで記載した既存ファイルサーバを分析する仕組みや、「SCCloud with IIJ/ファイルサーバサービス」に関して知りたい方はお問い合わせください。