大容量データの保存に適したオブジェクトストレージとは?

進むオブジェクトストレージの利用

従来のブロックストレージに比べ、大容量データを安価に利用できるのが「オブジェクトストレージ」の技術です。

企業内のデータは画像・動画などでファイルサイズが大きくなり、ストレージシステムは逼迫し続けています。また、第3のプラットフォーム(モビリティ/ソーシャル/クラウド/ビッグデータ)により非構造化データの容量も急速に増加しています。

増え続けるデータ保管のコストを抑えたい。高度なスキルと経験が必要な分散ストレージを手軽に利用したい。そんな要望にお応えするため、IIJではクラウド型のオブジェクトストレージサービス(IIJオブジェクトストレージサービス(旧サービス名称:IIJ GIOストレージ&アナリシスサービス))を提供しています。

今回は、利用シーンを交えてオブジェクトストレージの使い方を易しくご紹介します。オブジェクトストレージがよく分からないという方も、ぜひご覧ください。

オブジェクトストレージとは?

データをディレクトリ構造で管理するファイルストレージと異なり、データをオブジェクトという単位で扱うストレージがオブジェクトストレージです。データサイズやデータの保存数に制限がないため、大容量のデータを扱うことに適しています。

さまざまな用途で使われています

オブジェクトストレージは構造化データ・非構造化データなどの種類を問わず保存可能です。その特性から、特にログファイルやバックアップファイルのバックアップ、動画ファイル、画像ファイル、音声ファイル、テキストファイルなどのコンテンツを保管するストレージとして有効です。

利用シーン1 : バックアップ/アーカイブストレージ

既存バックアップシステムと連携し、大容量データの遠隔地保管、二次バックアップ環境を構成できます。

利用シーン2 : コンテンツ保管

動画、画像、音声、テキストファイルなどのコンテンツを保管するストレージとして利用できます。拡張性に優れ、安価に大容量保存することが可能です。

オブジェクトストレージの使い方

IIJのオブジェクトストレージでは、利用手段が幾つか用意されています。

基本はAmazon S3との高い互換性を持つREST APIを直接利用する方法で、以降で説明する他の利用方法も、最終的には何らかの形でこのAPIを呼び出しています。
REST APIの利用では目的に応じてプログラムを作成し、インターネットを介してHTTP(S)でリクエスト/レスポンスを送受信することでオブジェクトストレージに対する様々な操作を行います。
この方式はサービスが提供する機能をフルに利用でき最も柔軟性が高い反面、プログラミングが必要になる点が若干煩雑ではあります。この煩雑さを軽減するために、サービスとのやり取りの部分をラップするライブラリがIIJより提供されています。

次はIIJが提供するCLIツールを利用する方法で、コマンドラインから簡便にAPIを呼び出すことができます。
このツールを利用することで、本格的なプログラミングを行わずに簡易的なシェルスクリプトやバッチファイルを作成するだけでお手軽に利用を開始することができます。
ただし、CLIツールはあくまでAPI呼び出しの処理を行うものなので、例えば「一旦既存オブジェクトを確認して、存在しないデータだけをPUTする」などAPI呼び出し以外の処理が必要な場合には、ロジックの記述がかえって面倒になる場合もあります。

通常のサービス利用は以上の2方式で行いますが、日常的な管理業務は管理コンソールを利用することもできます。管理コンソールはオブジェクトストレージをブラウザ上のエクスプローラ風画面で操作できる機能で、バケットやオブジェクトの一覧表示や作成/アップロード、ダウンロード、削除などを行えます。日々のちょっとしたスポット作業や使用容量の確認には、管理コンソールの利用をお薦めします。

オブジェクトストレージへは、インターネットを介してHTTPSで接続を行います。
IIJのオブジェクトストレージサービスでは、Amazon S3互換のREST APIを用意していますので、目的に応じたHTTPリクエストを作成し、送信することでデータへのアクセスを行います。また、管理コンソールやライブラリも用意していますので、これらを利用することでより簡単に使うことができます。

今回はIIJオブジェクトストレージサービスの使い方をご紹介しました。トライアル環境もご用意しておりますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

※2015年7月に弊社ブログに掲載した記事を、一部加筆修正しました。