IIJでは、2023年春から、有志の社員を中心に宇宙ビジネスの企画に取り組み始めました。
「IIJ × 宇宙」と言うと、通信衛星かな?と連想される方が多いと思うのですが、いま検討中のビジネスはそれとは異なります。
この記事では、2024年11月18日から開催された「NIHONBASHI SPACE WEEK 2024」での展示会の様子をお伝えしながら、IIJが実際にどのような宇宙ビジネスに取り組み始めているのかご紹介いたします。
NIHONBASHI SPACE WEEK 2024は、今年で4回目の開催となる、アジア最大級の宇宙ビジネスイベントです。
展示会、カンファレンスステージ、ジョブフェア、スクールなど、多様な宇宙関連イベントを5日間で集中開催しており、IIJは展示会にて3日間ブース出展しました。
展示会会場は、コレド室町1の日本橋三井ホールにて行われました。
会場周辺は、賑やかな商業施設が立ち並ぶエリアで、コレド室町や三越などの名高いショッピングスポットが点在しています。
イベント参加者がイベント前後に気軽に立ち寄ることができる環境が整っていました。
今年の展示は、「衛星データを、誰よりも早く、安全に届ける地上ゲートウェイになる」をコンセプトとし、「シン・地上システム」をキャッチコピーに“ほぼ”実寸大のパラボラアンテナをパネルで表現しました。
実際のアンテナのサイズをご存じない方にも体験いただけるよう、今回のイベントからMR(複合現実)を導入しました。Meta Questを用いてVRと現実空間を融合させ、MR(複合現実)世界を作ります。
ゴーグルをつけると、目の前に4メートル近いパラボラアンテナが出現し、その大きさをリアルに体感することができます。
もちろんIIJが宇宙で通信サービスを提供する!という夢がないわけではないですが、今はまず、IIJが持つ技術やアセットを活かして人工衛星(地球観測衛星)からのデータを受信する地上局をつくろうと企画を進めています。
展示ブースでは、「IIJのシン・地上システム」として、「クラウド型地上局」と「エッジ型地上局」の2つのコンセプトを提案しました。
「クラウド型地上局」
IIJは既に日本全国、そして世界を1周するネットワークを保有しており、国内外でデータセンターを保有・利用しています。そのネットワークにアンテナを直結するイメージで、IIJデータセンター内に地上局をつくります。
衛星データをデータセンター内で受信し、大容量バックボーンを通して、お客様にデータを高速・安全に伝送します。
データセンター内にお客様設備を置くことも可能ですし、IIJのクラウドサービスで即座にデータ処理・保存することも可能です。
「エッジ型地上局」
19インチラックほどの筐体に、空調や消火設備、UPS、セキュリティを備え、超小型データセンターとなるDX edgeを利用します。DX edgeと小型アンテナをセットにして、お客様ご希望の場所に地上局を構築・運用する、“どこでも地上局”を構想しています。
今後、衛星数が飛躍的に増加して、衛星データのサイズも大きくなり、今よりも早くデータを活用したいというニーズがあります。ネットワークとセキュリティ、IT運用に強いIIJが、衛星データ利活用のための大事なインフラを支えていきたいと考えています。
今回のNIHONBASHI SPACE WEEKにおいて、国内外の衛星事業者をはじめとした宇宙ビジネス関係者の方々と意見交換ができ、企画中のサービスについて様々なフィードバックをいただきました。
また、IIJmioをご利用中の参加者にも多く出会うことができまして、「IIJがどのようなアプローチで宇宙ビジネスに携わるのか興味深い」との声をいただき、たいへん励みになりました。
今後もIIJは宇宙関連イベントに参加していきますので、見かけた際にはぜひお立ち寄りください。