迫るWindows 10のサポート終了。22%はWindows 11への移行が間に合わず

IIJ サービスプロダクト推進本部 プロモーション部 マーケティング課

大利 真弘

IIJ法人サービスのマーケティング全般を担当。市場トレンドを的確に捉え、お客様に"今"必要なコンテンツを提供。メールマガジンのコンテンツ企画、ウェビナー・イベントの企画、アンケート調査に基づくデータ分析など、多岐にわたる業務に従事し、トレンドやニーズに応じた情報発信を行う。

執筆・監修者ページ/掲載記事:17件

こんにちは。マーケティング担当の大利です。
IIJでは、企業ITにおけるお客様の実態や課題を深く理解するため、様々なテーマでのアンケートを実施しています。
今回は、「Windows 11」への移行予定について調査しました。2025年10月にサポート終了を迎えるWindows 10の後継となるWindows 11について、移行状況のほか、移行にあたって苦労した点や移行が間に合わない理由など、様々な回答が集まりましたのでご紹介します。

【アンケート調査の概要】

  • 調査手法:IIJメールマガジンの読者に対するWebアンケート
  • 調査期間:2025年1月21日~1月27日
  • 回答対象者:情報システム部門
  • 有効回答数:338件
目次
  1. Windows 11への移行は間に合う?
  2. Windows 11への移行にあたって苦労した・悩んでいる点
  3. Windows 11への移行が間に合わない、または移行しない理由
  4. 考察

Windows 11への移行は間に合う?

質問「Windows 10のサポート終了までにWindows 11への移行は間に合いますか?」に対する回答の集計結果(IIJのアンケート結果より)

Windows 11への移行にあたって苦労した・悩んでいる点

※移行が「間に合う」と回答した方にお聞きしました。

Windows 10に慣れているユーザーのために、アップデート後にタスクバーのWindowsボタンを左寄せに設定したり、不要なアプリケーションの削除などを実施することとなった。

(30代/他のサービス業/IT管理部門(社内情報システム)/担当者)

WSUSで配信を予定している。分散配信を行うものの、想定以上のネットワーク負荷が発生し、通常業務への影響が懸念される。

(50代/他のサービス業/IT管理部門(社内情報システム)/課長、リーダー)

弊社はIntuneの更新リングによる更新プログラム配信をしています。更新プログラムの適用にどの程度時間を要するか不安がある。更新時間が長いとユーザからの非難の声が心配。

(40代/卸売・小売業/IT管理部門(社内情報システム)/部長、マネージャー)

Windows 10からのWindows 11へのアップデートでの対応を検討しているが、アップデート用データのダウンロードに時間がかかる。

(60代/製造業/IT管理部門(社内情報システム)/部長、マネージャー)

アプリの稼働検証やスタートボタン配置変更での利用者サポートに苦労した。

(40代/金融・保険業/IT管理部門(社内情報システム)/担当者)

多少UIが異なるため混乱する方もいた。

(40代/他のサービス業/IT管理部門(事業運営等)/部長、マネージャー)

情シスとしては何度もフォローしているが、最後の最後までやらない人がいる。

(40代/情報通信業/IT管理部門(社内情報システム)/課長、リーダー)

Windows 11への移行が間に合わない、または移行しない理由

※移行が「間に合わない」と回答した方にお聞きしました。

移行対象PCが数百台規模存在しており、これらをキッティング・配布するための人員が不足しているため。

(40代/他のサービス業/IT管理部門(社内情報システム)/課長、リーダー)

移行対象台数が多く人的リソース不足で10月までには間に合わない。ただしサポート切れのOSでも安全に利用できるセキュリティ製品は導入済です。

(40代/製造業/IT管理部門(社内情報システム)/課長、リーダー)

リース残期間が残るものが多い。そこまでの人的リソースが割けない。

(40代/製造業/IT管理部門(社内情報システム)/担当者)

Windows 10でしか対応できていない基幹システムが残っている。もしくは、現PCがWindows 10までしかスペックが備わっていない。

(40代/運輸業/IT管理部門(社内情報システム)/専門職)

基幹系システムがWindows 10の特定のバージョンで動いているため。

(60代/医療・福祉/IT管理部門(社内情報システム)/担当者)

人的リソース不足によるパソコンの入れ替え(キッティング作業が追い付いていない)。

(60代/その他/IT管理部門(社内情報システム)/専門職)

リソースの問題もあるが、Windows 11はとても使いにくいため12を待っているところもある。

(50代/製造業/その他/課長、リーダー)

考察

今回のアンケート結果では、78%と多数の方がWindows 11への移行が間に合う、あるいは移行済みと回答しました。一方で、移行にあたっては、アップグレード用ファイルの配信に伴うネットワークへの負荷や社員への周知・教育・協力依頼など様々な苦労の声も挙がりました。
移行が間に合わない、あるいは移行予定なしと回答したのは、全体の22%でした。理由としては、人的リソース不足を挙げる方が最も多く、その他には既存のシステムやアプリが対応していないため移行自体を見送る、といった声も挙がりました。

定期的にやってくるWindows OSのアップグレードですが、単にアップグレードすれば良いというだけの話ではありません。PCのリプレースや既存環境への影響の精査、社内調整など様々な対応が伴う一方で、社内リソースの不足により期限に間に合わせるのに苦労している、という情シスの皆さんのジレンマを感じました。これらの課題に対処するには、社内のリソースですべて対応するのではなく、アウトソースしていくのも一つの手段として考えられます。

IIJでは、法人向けのPC調達&セキュリティ強化をワンストップで実現する「IIJ DWPデバイスサプライサービス」を提供しています。PCの調達&キッティングだけでなく、紛失対策機能も標準でご提供。オプションでは、デバイスのライフサイクルマネジメントのほか、リモートアクセスサービスやDaaS(Desktop as a Service:仮想デスクトップ)といった、豊富なIIJサービスとも連携可能なので、より安全&便利にPCを利用できます。
詳しい内容はサービスガイドブックよりご確認いただけますので、ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。

次回は、生成AI利用における社内ガイドラインの整備状況についてのアンケート結果をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!