IIJ法人サービスのマーケティング全般を担当。市場トレンドを的確に捉え、お客様に"今"必要なコンテンツを提供。メールマガジンのコンテンツ企画、ウェビナー・イベントの企画、アンケート調査に基づくデータ分析など、多岐にわたる業務に従事し、トレンドやニーズに応じた情報発信を行う。
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こんにちは。マーケティング担当の大利です。
前回のメールセキュリティ対策に関するアンケート調査に続き、今回は、PCキッティングに関するアンケート調査を実施しました。
情シス部門にとっては切っても切り離せない業務です。「どんな課題を抱えている?」「自動化の実現意向は?」といった質問に対して、様々な回答が集まりましたのでご紹介します。
【アンケート調査の概要】
アンケートの結果、PCの調達計画を立案するタイミングで最も多かったのは「PCの故障時や寿命が到来した時」で、約39%でした。また、どの月に実施することが多いかを聞いた設問では「特定の月はない」の回答が多い結果でした。PCのキッティング業務は発生タイミングが予測しづらく、突発的に対応を強いられる傾向にあることがうかがえます。全国の情シスの皆さま、お疲れ様です。
なお、「毎年の定期的な時期」の回答の中から「特定の月はない」の回答を除外すると、以下のような分布でした。定期的な時期としては10~12月が比較的多いと言えそうです。
キッティング手法については、「手作業での個別設定」が半数以上を占めました。近年はキッティングの自動化・効率化を実現するための様々な手法が出ていますが、まだまだ手作業が主流のようですね。台数が少ないと手作業の方が早くて確実だったり、それなりに台数があっても部門やプロジェクトによって構成が多様な場合は自動化のフローに乗せづらかったり、といった背景があるのかもしれません。
なお、従業員規模別にみると以下のような分布になりました。
1,000名未満ではやはり手作業での個別設定の割合が最も多いのですが、1,000名以上の規模になると、マスターイメージからのクローニングが主流になってくることが分かります。マスターを用意して他のPCに複製し、同一構成・設定を展開していく手法のため、PCの台数が多い場合は手作業よりも効率を高められる可能性が高く、納得の結果ですね。
多くの企業が「手作業による時間の浪費」や「人的リソースの不足」を課題として挙げました。情シス部門は人手が足りないとよく聞きますが、手作業が主流のPCキッティング業務ではそれが如実に表れているようです。
他にも、次のようなコメントがありました。
来年10月までにWindows11へ更新する作業を行う台数が多いので、困っています。
(医療・福祉/従業員数:500~999名/キッティング手法:手作業による個別設定)
個々のPCの稼働状況に合わせて配布するため、セキュリティパッチの一斉展開に時間がかかる。
(卸売・小売業/従業員数:3,000~4,999名/キッティング手法:手作業による個別設定)
キッティング作業より、ユーザへの引き渡しの際に生じるITリテラシーの違いによるレクチャー対応。
(サービス業/従業員数:100~499名/キッティング手法:手作業による個別設定)
使用方法の説明など、ツールが増えるに従い、教育とアップデート維持に時間を要している。
(サービス業/従業員数:5,000名以上/キッティング手法:手作業による個別設定)
手作業による個別キッティング方式を採用している企業の方からは、リソース不足のほか、作業の抜け漏れや設定ミスなどのヒューマンエラーを課題として挙げる声も多くありました。
また、マスターイメージクローニング方式でも、マスター自体の管理やアップデートについての課題を挙げる方が多くいらっしゃいました。
その他、Windows 11への更新対応や、セキュリティパッチの適用について挙げる方もいらっしゃいました。近年は脆弱性を狙ったサイバー攻撃が多発しており、PC管理における脆弱性対応の重要性もますます高まっているように感じます。
また、キッティング後の対応についてのコメントがあったのも印象的でした。キッティング作業そのものだけでなく、その後の従業員へのフォローも含めて課題を感じている方も多いようです。
キッティングの自動化を実現できると、人への依存から脱却でき、作業の効率化やセキュリティ向上が見込めるため、キッティングにおける多くの課題を改善できそうですが、既に自動化を実現している企業は10%にも満たないようです。一方で、まだ実現していない層の中では7割近くが「実現したい」もしくは「どちらかというと実現したい」と回答しており、多くの企業が自動化の実現に前向きのようです。
まだまだ多くの企業がPCキッティングを手作業で対応しており、時間や人手のリソース不足を感じていることがよく分かりました。一方で自動化の実現意向も高く、課題を解決していきたい思いはあるものの実現はできていない、という現状がうかがえます。
そもそも目の前の作業に追われて検討の時間が取れないんだよ、という状況も想像に難くないですが…そういった場合は、外部のリソースを頼ってみるのも1つの手でしょう。
例えばIIJでは、自動化の実現に向けた1つの手段として、Windows Autopilotによるゼロタッチキッティングの導入支援を行っています。煩雑になりがちなMicrosoft Intuneによるポリシーの設計や運用、展開時のネットワーク輻輳を考慮した環境構築など、豊富なノウハウと知見でサポートします。詳しい内容を資料にまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
引き続きいろいろなテーマで調査していく予定です!お楽しみに!!
作業した日や人によって、設定内容に微妙なバラツキがあり、手作業に限界を感じている。
(卸売・小売業/従業員数:500~999名/キッティング手法:手作業による個別設定)
手動のため、対応する人により作業抜け漏れが発生してしまい、その漏れを探すのが大変。
アップデートを更新する仕組みがなく、帯域を圧迫し業務影響がでた。
(情報通信業/従業員数:100~499名/キッティング手法:手作業による個別設定)
常時出社する社員が1名のみ(私)であるため、キッティングタイミングが私の業務の繁忙具合に左右されること。
(サービス業/従業員数:100~499名/キッティング手法:手作業による個別設定)
マスターとなるPCを作成してそれをクローニングする方式を取っていますが、マスターのアップデートを頻繁に行わなければならないので大変。
(その他の業種/従業員数:100~499名/キッティング手法:マスターイメージからのクローニング)