IIJ法人サービスのマーケティング全般を担当。市場トレンドを的確に捉え、お客様に"今"必要なコンテンツを提供。メールマガジンのコンテンツ企画、ウェビナー・イベントの企画、アンケート調査に基づくデータ分析など、多岐にわたる業務に従事し、トレンドやニーズに応じた情報発信を行う。
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こんにちは。マーケティング担当の大利(おおとし)です。
IIJではクラウド移行に関して、お客様が抱える課題を解消するために、お客様と共に解決策を考えるワークショップを開催しています。今回、「クラウド移行のワークショップがお客様から大好評」という噂を聞きつけ、ワークショップがどんなものなのか、企画に関わったクラウド本部の社員に直接インタビューをしました。
大利
こんにちは。まずは後藤さん、荒木さんのお立場や仕事について教えてもらえますか?
後藤さん
私たちはクラウド本部クラウドソリューション部という部署に所属しており、IIJのクラウドだけでなく、AWSやMicrosoft Azureなどの外部クラウドも含めたソリューションの開発や提案支援などを行っています。お客様と会話する機会も多いので、お客様のクラウド活用に関する悩みを相談されることも少なくありません。
大利
クラウド活用におけるお客様の課題を誰よりも熟知しているのですね。そんな後藤さんが今回のワークショップを企画したのでしょうか?
後藤さん
いえいえ、実は企画したのは私1人ではないのです。同じチームのメンバーや営業と会話していると、「〇〇でお客様が悩んでいた」という話題になることがあります。その多くが「クラウドに移行したいが何から手をつければよいか分からない」という悩みだったのです。我々としては課題に対してソリューションを提案したいのですが、そもそも何が課題か、何から着手すべきか分からない…という状況のお客様が多いことを知りました。チームで共有した際に私の上司が「それなら、IIJもお客様と一緒に考える機会があるといいよね」と言ったことが企画の始まりです。
大利
なるほど。クラウド移行の課題は「何から手をつけたらいいか分からない」ということだったのですね。「一緒に考える」と聞くと高額なコンサルティングサービスのイメージが沸くのですが、IIJのワークショップは無料ですよね。その点は議論にならなかったのですか?
後藤さん
最初は議論になりました。ただ、一番重要なのは多くの企業のクラウド移行を促進することなので、それを有償化してハードルを上げては本末転倒になってしまいます。無料でどこまでできるかを考えました。無料だからといって簡易的な内容になっては意味がないので、ご満足いただけるように、3日間という日程で中身を厳選したワークショップという形にしました。
大利
まさに、IIJがクラウド化を促進させるぞ、という使命感ですね。すばらしいです!
大利
3日間という事ですが、具体的なワークショップの内容を教えてもらえますか?
荒木さん
ワークショップはDay1~Day3の3日間開催します。事前ガイダンスとして、全体の進め方のご案内やヒアリングシートの記入をお願いしています。項目は、お客様の基本情報や利用データセンタの住所、WAN情報、システム構成情報などです。お客様の記入の手間を考えると、当日にヒアリングしたほうが良いのでは?という議論もありました。
議論の結果、お客様環境を事前に把握してDay1をむかえた方が当日お客様とスムーズに会話ができるということで、ヒアリングシートを事前提出いただくことにしました。ヒアリングシート受領後、最低でも約1週間IIJ側で開催に向けた準備期間を設けています。
※必要に応じて秘密保持契約を締結
大利
てっきりDay1で初めてヒアリングするのかと思っていました。確かに事前にお客様環境を把握することで、当日はスムーズに会話ができますね。Day1当日はどのようなことを行うのですか?
荒木さん
Day1は事前に提出いただいたヒアリングシートを参考に、システム環境やお客様が抱えている課題を2時間かけて重点的にヒアリングします。また、お客様の環境やクラウド移行に向けた準備状況を確認します。お客様のシステム環境や体制によって、最適なクラウド移行方法は変わってきます。そのため「とにかくヒアリングすること」をDay1では大切にしています。お客様をより理解するには、対面でお客様の雰囲気や声のトーンなどを感じ取ることも大切だと考えているため、オンラインではなく、対面形式でワークショップを開催しています。
大利
対面形式で開催している理由がやっとわかりました!そして2時間もヒアリングするのですね。それほどクラウド移行においては、確認ポイントが多いのですね。お客様理解を深めた後、Day2は何を行いますか。
荒木さん
Day2は課題の整理とアクションプランの策定に重点を置いています。まず、Day1で整理した内容をお客様と振り返ります。今後PoCを検討される際の考慮ポイントやクラウドサービスの検討ポイントなど、クラウド導入のポイントを解説しながら、お客様の考えを聞き、理想的なクラウド移行を実現するための方向性をすり合わせていきます。Day1でヒアリングした内容と、IIJが培ってきたナレッジを活かしてディスカッションを行い、お客様へベストプラクティスをご提案しています。
大利
Day1のヒアリングがどれだけ重要か実感することができました。Day2は情報提供だけではなく、認識のすり合わせまで行うのですね。最終日のDay3は何を行いますか?
荒木さん
Day3では、お客様ごとに作成した『クラウド移行ワークショップレポート』を解説し、クラウドTCO比較※や移行準備状況の可視化を含めた、今後の詳細な移行計画策定へのレポートを提示します。これによりお客様はレポートを通じて、自社に必要となる移行のための具体的なステップやリソースの確認ができ、その内容を参考にして将来の移行計画をより明確化できます。レポートはお客様ごとにおすすめの構成案など細かく記載していますので、レポートをお渡しすると喜ばれるお客様が多く、ご好評をいただいております。
※Total Cost of Ownership(TCO):ITシステム導入にあたって、ソフトウェアやハードウェア、維持管理などの費用総額
大利
レポートの情報が盛りだくさんで、サンプルを見た時はびっくりしました。これほどの項目をお客様環境に合わせて作成されているとは、レポート完成まで時間を要するのではないですか?
荒木さん
実は各回ごとに、お客様情報を整理し、最適なアプローチ方法を検討した後、IIJの関係者間で最低3回社内会議を行っています。お客様が考える理想的なクラウド移行をどのように実現できるのか、どのような構成案が最適かを議論しています。クラウドに精通したメンバーで議論するので、様々な観点でのディスカッションができます。毎回私が提案する構成案も各メンバーのナレッジを反映して磨かれていきます。自分にない視点を加えることができるので、私も日々勉強になっています。
大利
社内ではそのような動きもあのるのですね。お客様個別のお悩みに“とことん”寄り添う3日間であることがわかりました!
大利
これまでに参加いただいたお客様はどのような企業の方が多いですか?
後藤さん
実際に参加いただいているお客様は、中規模の企業の方が多いです。特に仮想サーバーを数十台運用していて、クラウド移行に関して課題がある企業におすすめです。これまでも数多くワークショップは開催してきましたが、お客様からは「足りない部分が多々あることが分かり非常に有用であった」「移行においての考慮点や優先順位の決め方を知ることができた」などの感想もいただいています。そのため規模問わず、クラウド移行において何から手をつければよいかわからないといったお悩みがありましたらお気軽に問い合わせてほしいです!
大利
お客様の満足度が伝わるコメントですね。少しでもクラウド移行に悩みがあれば、先ずはワークショップへの参加がよさそうですね!では最後に今後の展望を教えてください。
後藤さん
今後の展望として、より個社別に最適化されたワークショップを提供したいと考えています。お客様の環境やニーズに合わせて、重点ポイントを的確に伝えるなど、お客様の課題解決により一層貢献したいと考えています。またワークショップで見えてきたクラウド移行の課題を解消できるように、サービス開発にも活かしていきたいと考えています。
大利
よりお客様1社1社に特化した内容であれば、喜んでいただけますね。お客様が抱えるクラウド移行におけるモヤモヤを解消するために、今後ワークショップがどのように変化していくのか楽しみです!貴重なお時間をありがとうございました。 クラウド移行に関して、少しでもお悩みがありましたら、ぜひお問い合わせください!