UOMって何??開発者に聞いてみた(前編)なぜシステム運用管理の現場は「忙しい」のか?

IIJ サービスプロダクト推進本部 プロモーション部 マーケティング課

和泉 瑛一

セキュリティサービスのプリセールスとして、お客様のセキュリティ対策支援に長年にわたり従事。
現在はプロモーション活動を中心に担当。

執筆・監修者ページ/掲載記事:6件

<若手マーケ和泉が行く!IIJサービスの”裏側”を聞いてみたシリーズ>
IIJに最近入社した若手マーケティング担当の和泉。上司から「まずは各サービスの特長を学んでこい!」とのお達しがあり、IIJサービスの開発者を巡る旅が始まりました。

前回、システムのバックアップについて学び、システムを理解できた気になっていた和泉ですが、「バックアップについて理解できたら次は運用だ!」と新たな指令が下りました。ということで、今回は、IIJ統合運用管理サービス(UOM)の開発に携わっている弊社担当者に話を聞きに行きました。

<サービス担当者>
福原
運用現場を知り尽くした、運用管理サービスの熱血開発責任者

運用担当者は忙しい!!


和泉
今日はよろしくお願いします!IIJのお客様には運用も含めて提案することが多いと思いますが、お客様ってどんなことに困っているんですか

福原
共通して言えるのが、“運用担当者は忙しい!”ということですね(笑)。

和泉
それは分かりやすい課題ですね(笑)。ちなみになんで忙しいんですかね…。こんなことを聞いたら怒られそうですが…(汗)。

福原
まず、運用対象のシステムが急増している、ということがありますね。
最近だと働き方改革や業務効率化が叫ばれていますが、実際にはいろいろなシステムの導入が進んでいるため、運用対象が急増している、という声をよく聞きます。

和泉
働き方改革と言いつつ、運用を担当される方の業務量は増えていると…。

福原
最近はPaaSやSaaSといったクラウドが普及してきたこともあって、手軽に導入できるシステムが増えていますしね。オンプレ時代に比べて、システムが導入しやすくなっていることもあると思います。

時間を取られるアラート対応


和泉
なるほど。手軽に導入できるのは良いことである反面、システムが増えてしまって運用で苦労することもある、ということですね。ちなみに「運用」と一口に言ってもいろいろな業務がありますよね。日々の運用ではどのような作業で忙しいんでしょうか??

福原
障害に関するアラートが来るたびに確認、対応するのが第一ですね。

和泉
障害って、いつ起こるか予測できないのもつらいですよね…。そんなシステムが増えているということは負担が大きそうですね。ということは対応する運用担当者も増えているんですよね?

福原
いや、システムを追加した分、人を増やしました、というのはまず聞かないですね(笑)。
基本は今の人員で何とか回していく、というのがほとんどのようです。

和泉
え、そうなんですか??
そうか。ということは新しくシステムを導入するときに、現状の人数で回せるように運用業務を考慮するんですね。

福原
実は運用業務が考慮されるケースはほぼないんですよ!運用設計されているものの、昔ながらのオンプレの設計思想のままで、実際の運用現場では、「作業が増えただけじゃないか!?」ということが多いですね…。

和泉
それは大変ですね…。それだけ事前の考慮というのが難しいということですかね。

福原
そうですね。障害のアラート通知に関して言うと、例えばメルマガとかは、どの情報を受け取るかの設定ができますよね。あのように分かりやすく必要な情報を選べればラクなのですが、運用の実態ではすべてのアラートを受けきるケースが一般的です
新しくシステムを導入するとき、システム開発チームと運用チームが分かれていることが多く、納期も決まっている開発プロジェクトのなかで、運用設計まで適切にできているという話は残念ながら少ないんですよね。

和泉
そんな状態で導入システムが増えていくんですから、運用現場は大変ですね…。

重要なのはプロセスの整理


和泉
それなら少しでも運用業務を効率化しないとですね。
それがIIJ統合運用管理サービス(UOM)というわけですね。

福原
それがまた「運用管理ツールを入れればいい」という単純な話でもないんです。

和泉
どういうことですか?

福原
本質的な改善を実現するためには、「運用業務の整理」が最も重要です。
この整理をせずに運用管理ツールだけ入れても、活用できずに必要な対応が漏れてしまったり、効率化できなかったりと、効果を発揮できないことが多いですね。

和泉
いろいろありますね…。
具体的に「運用業務の整理」とはどのような整理なのでしょうか?

福原
代表的なところで障害対応を例にすると、以下のような整理があると思います。
  1. 障害アラートのうち、対応が必要なものと不要なものを整理する。
  2. 対応が必要なものは、障害対応を自動化、効率化できないか検討する。
  3. その上で、どうしても残るものだけ人手の作業で対応する。
といった具合に分類して、システム化で効率化できるポイントと効果を明確にした上で、必要なシステムを導入する、といったイメージです。

和泉
なるほど、効率化すべき対象を明らかにする、ということですね。

福原
はい。実はIIJ自身も同じように運用業務を整理して、システム化つまり自動化を推進することで効率化してきました。それをお客様向けに提供しているのが「UOM」というSaaSサービスです。

次回は課題の解決方法をIIJ統合運用管理サービス(UOM)の開発背景も交えて聞いていきたいと思います。