かんたん・セキュアにデータ連携…
執筆・監修者ページ/掲載記事:11件
かんたん・セキュアにデータ連携(EAI)を実現できる「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、使い方が無限大。本企画では、具体的にどんな活用方法があるのか、開発者が実践してみせます。今回のテーマは「プライベートネットワーク」です。少し技術的な内容も含むため、特にIT担当者の方におすすめです。
登場人物
IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部長
鈴木 透
IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部 プラットフォームサービス課
佐藤 陽平
鈴木
社内データベースやファイルサーバには、事業の根幹を支えるデータや個人情報、機微情報などがありますからね。重要システムは情報セキュリティを確保するため、インターネットとの境界点にDMZを設けてアクセスを制限するのが一般的ですよね。
佐藤
「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、IIJのネットワークサービスと合わせてご利用いただくことで、お客様のオンプレミス環境とプライベート接続できます。インターネットからの到達性を持たせたくないオンプレミスのデータベースを本サービスと接続し、本サービスとクラウドサービスを連携させることで、オンプレ環境の安全性を確保することが可能です。これを使えば、中継サーバを立てる必要はありませんよ。
鈴木
そんなことはありませんよ。ネットワークはすべてIIJが提供しますし、設定もGUI上で完結します。
では、実際にプライベート接続の手順をお見せしましょう。今回は、オンプレミスにあるリレーショナルデータベース(以下、RDB)とプライベート接続してみますね。接続のイメージは図1の通りです。
図1:接続イメージ
RDBから「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」までの経路は、「IIJ Omnibusサービス」と「IIJプライベートバックボーンサービス」を利用している状態から始めます。
(※) IIJ Omnibusサービス:IIJが提供するSD-WANサービス
(※) IIJプライベートバックボーンサービス:IIJが無償で提供する、IIJサービス間を閉域でつなぐネットワーク
鈴木
はい、そうです。いよいよ、「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」でRDBとのコネクションを作成します。
GUIのコネクション作成画面で、接続種別(RDB)とコネクションの名前(任意)を入力すると、図2のような接続設定画面が開きます。
図2:コネクション設定画面
接続名、ユーザー名、パスワードは任意のもので構いません。RDB接続のためのプライベートIPアドレスは、ここでは「192.168.1.5」、つまりオンプレミスのRDBと同じIPアドレスなので、これをURL欄に設定して保存します。これで完了です。
佐藤
では接続テストで確認してみましょう。こちらもやり方は超簡単。同じくGUIのツールバーで「接続テスト」アイコンをクリックするだけです。ほら、図3のように「成功」というテスト結果が表示されました。
図3:接続テスト画面
繰り返しになりますが、超重要なのでもう一度言います。オンプレミスのRDBと同じプライベートIPアドレスで接続ができています。つまり、このサービスはインターネットを経由せずに、オンプレミス環境の一部のように安全に使えるということです。
鈴木
一般的にはそうですよね。もちろん、プライベートネットワークを複数経路用意することもできます。ただ、「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」の場合は、一度つないでしまえばこのサービスがハブになって様々なクラウドやSaaSの連携を集約してくれるので、 図4のように、オンプレミス側のネットワーク構成に手を加える必要はなくなります。SaaSとの連携手順は、前回紹介しましたね。
図4:オンプレミスからSaaSへの連携
佐藤
さまざまなクラウドやSaaSと連携することで、多様なデータを組み合わせた利活用が可能になります。より高度なデータ分析、ワークフローの自動化など“できること”も大きく広がるでしょう。