#2 SaaSがもっと身近に!連携ツールなしでカンタンにつなぐ方法とは?

特集

開発者が実践&解説!かんたんデータ連携(EAI)の活用術

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クラウド本部 プラットフォームサービス部

部長

鈴木 透

執筆・監修者ページ/掲載記事:9件

かんたん・セキュアにデータ連携(EAI)を実現できる「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、使い方が無限大。本企画では、具体的にどんな活用方法があるのか、開発者が実践してみせます。今回のテーマは「SaaS連携」です。

目次
  1. SaaSごとに異なる“作法”が大きなネックに
  2. 手間いらず、早く・かんたんにSaaSと連携できる
  3. SaaS接続はGUI画面に必要事項を入力するだけ
  4. 多様なSaaSをつなぐ「データ連携(EAI)基盤」もかんたんに実現
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登場人物

IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部長

鈴木 透

IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部 プラットフォームサービス課

佐藤 陽平

SaaSごとに異なる“作法”が大きなネックに

最近、SaaSの活用がますます進んでいますよね。私もMicrosoft 365やSansanなどを使っていますが、欲しい機能が簡単に使えるので便利です。

鈴木

そうですね。ただ、SaaSにオンプレミスのデータを連携したい場合は、「どうやって連携するか」が大きなハードルになるんですよね。

え、どういうことですか?

鈴木

SaaSには連携のためのAPIが用意されていますが、APIにつなぐためにはいろいろとやるべきことがあるんです。例えば、kintoneやSalesforceは以下のような形でリファレンスが用意されていますが、まずはこういうのを読み解き、仕様を理解する必要があります。

うわ、すごい情報量です。これを読み解くのは大変そうですね。

鈴木

そうですね。海外ベンダーのSaaSだとマニュアルが英語だったり、翻訳されていても分かりにくい日本語だったりするので、余計に手間がかかります。

次に、その仕様に基づいてプログラミングし、APIにつなぐための連携用ツールを作成します。
それから、オンプレミスとSaaSをつなぐためのネットワークも必要になります。例えばSaaSと連携したい基幹システムにインターネットへの疎通性がない場合、いかに安全にSaaSへ接続するかの検討も重要になってきます。そして開発したら、当然、検証やテストも必要ですよね。

うーん、SaaSと連携するのって、意外と大変なんですね。

佐藤

SaaSは新しい技術への対応や新機能開発が頻繁に行われています。ユーザにはありがたいのですが、バージョンアップに伴ってAPIが変更されることもあります。そうすると、開発した連携ツールも見直しが必要になります。開発後の保守の手間も大きな負担です。

手間いらず、早く・かんたんにSaaSと連携できる

IIJクラウドデータプラットフォームサービス」には、かんたんにSaaSと連携できる機能があるそうですね。

鈴木

はい。Salesforce、kintone、ServiceNowなど、様々なSaaSやクラウドサービスに対応した90種類以上の「連携アダプター」を提供しています。これを使えば、マニュアルを読み解いたり、連携ツールを作成したりする必要はありません。しかも、オンプレミスとSaaSをつなぐネットワークもサービスとして一体的に提供します。

おお、それは便利そうですね。

佐藤

はい。各種設定もGUI画面で行えるので、直観的に操作できます。図1のように、アイコンを並べるだけで簡単にデータ連携のフローを作成できるので、ITに詳しくない事業部門のユーザでも利用できますよ。

図1:データ連携のフロー

では、どれだけ簡単に連携できるか、kintoneを例にデモをお見せしましょう。

SaaS接続はGUI画面に必要事項を入力するだけ

何か事前に準備しておくものはありますか。

佐藤

kintoneと契約すると接続先URLが提供されるので、これを準備しておいてください。
まず、GUI上で「kintoneGetコンポーネント」を配置して、新規コネクションの設定画面を開きます(図2)。

図2:新規コネクション設定画面

(クリックすると拡大します)

「接続名」は任意のものでOKです。「URL」にはkintoneの接続先URLを入力します。ここでは「認証」方式に「パスワード認証」を選択しました。ログイン名、パスワードを設定したら「保存」をクリックします。
はい!これでkintoneに接続できるようになりました!ちなみにkintone以外のSaaSも同じ流れで接続可能です。

え、これだけですか?!

佐藤

はい、これだけです。

簡単すぎて、本当に連携できているか確認したくなります(笑)

鈴木

では、ちゃんと連携してデータを加工できているところもお見せしましょう(笑)
kintone上の顧客リスト(図3)をCSV形式に変換し、更に電話番号をマスキングしてみますね。

図3:kintone顧客リスト

(クリックすると拡大します)

kintoneに接続したら、「kintoneビルダー」を開きます(図4)。このビルダー機能を用いることで、読み込みたいレコード情報を簡単に呼び出せます。

図4:kintoneビルダー

kintoneビルダーの左側上段()には、ユーザのkintone環境上にある現在のファイルが表示されます。その右側()にはファイルの中のレコード情報が表示されます。読み込みたいレコード情報にチェックを付け、「保存」をクリックします。

次に図5のようにマッパー関数(データのマッピングをする関数)を選んで、選択したレコード情報をCSV形式に変換し、電話番号レコードの下4桁を「*」でマスキングする設定を行います。マスキングの手順については、前回のコラムでも詳しく解説しましたね。

図5:マッパー関数

図6がマッパー関数実行後のファイルを開いたものです。設定通り、電話番号レコードの下4桁が「*」でマスキングされていますね。

図6:加工実施後のCSVファイル

多様なSaaSをつなぐ「データ連携(EAI)基盤」もかんたんに実現

本当に連携できてましたね。疑ってすみませんでした(笑)

鈴木

いえいえ(笑)。先ほどお伝えしたように、90種類以上の連携アダプターを用意しているので、主要なSaaSやクラウドサービスと簡単に連携できます。今回のデモではCSVファイルとして出力しただけでしたが、生成したファイルを他のSaaSやシステムに受け渡すこともできます。ちなみに、標準機能としてSOAP、REST、HTTPSなど様々な通信方式にも対応しているので、もし連携アダプターに対応していないサービスがあっても、そのサービスの仕様に合わせた通信方式でアクセスが可能です。
また、ビルダー機能を使えば対象ファイルのレコード情報もGUI上で確認できるので、複雑な処理連携も簡単に開発できます。

すぐに使い始められるのはうれしいですね。SaaSがより身近なものに感じられます。

佐藤

そうですね。自分たちで連携ツールを作成する必要がないので、システム設計や開発にかかる工数を大幅に削減できます。

利用するSaaSが増えれば、より大きな効果が得られそうですね。このサービスで複数の接続先とも連携できるのですよね?

鈴木

その通りです。今はSaaSをはじめとするクラウドの利用が当たり前になっていますが、早く・かんたんにSaaSを活用できれば、新たなチャレンジや価値創出の取り組みにスピーディに着手できます。
また、既存のオンプレミス環境に1対1で個別に作り込んでいる連携基盤があったとしても、段階的にこのサービスに統合すれば、シンプルかつ最適なデータ連携基盤を実現できます。多様なSaaSの活用やデータ活用の取り組みを加速できるサービスだと思っています。