かんたん・セキュアにデータ連携…
執筆・監修者ページ/掲載記事:11件
かんたん・セキュアにデータ連携(EAI)を実現できる「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、使い方が無限大。本企画では、具体的にどんな活用方法があるのか、開発者が実践してみせます。今回のテーマは「SaaS連携」です。
登場人物
IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部長
鈴木 透
IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部 プラットフォームサービス課
佐藤 陽平
鈴木
そうですね。ただ、SaaSにオンプレミスのデータを連携したい場合は、「どうやって連携するか」が大きなハードルになるんですよね。
鈴木
SaaSには連携のためのAPIが用意されていますが、APIにつなぐためにはいろいろとやるべきことがあるんです。例えば、kintoneやSalesforceは以下のような形でリファレンスが用意されていますが、まずはこういうのを読み解き、仕様を理解する必要があります。
鈴木
そうですね。海外ベンダーのSaaSだとマニュアルが英語だったり、翻訳されていても分かりにくい日本語だったりするので、余計に手間がかかります。
次に、その仕様に基づいてプログラミングし、APIにつなぐための連携用ツールを作成します。
それから、オンプレミスとSaaSをつなぐためのネットワークも必要になります。例えばSaaSと連携したい基幹システムにインターネットへの疎通性がない場合、いかに安全にSaaSへ接続するかの検討も重要になってきます。そして開発したら、当然、検証やテストも必要ですよね。
佐藤
SaaSは新しい技術への対応や新機能開発が頻繁に行われています。ユーザにはありがたいのですが、バージョンアップに伴ってAPIが変更されることもあります。そうすると、開発した連携ツールも見直しが必要になります。開発後の保守の手間も大きな負担です。
鈴木
はい。Salesforce、kintone、ServiceNowなど、様々なSaaSやクラウドサービスに対応した90種類以上の「連携アダプター」を提供しています。これを使えば、マニュアルを読み解いたり、連携ツールを作成したりする必要はありません。しかも、オンプレミスとSaaSをつなぐネットワークもサービスとして一体的に提供します。
佐藤
はい。各種設定もGUI画面で行えるので、直観的に操作できます。図1のように、アイコンを並べるだけで簡単にデータ連携のフローを作成できるので、ITに詳しくない事業部門のユーザでも利用できますよ。
図1:データ連携のフロー
では、どれだけ簡単に連携できるか、kintoneを例にデモをお見せしましょう。
佐藤
はい、これだけです。
鈴木
では、ちゃんと連携してデータを加工できているところもお見せしましょう(笑)
kintone上の顧客リスト(図3)をCSV形式に変換し、更に電話番号をマスキングしてみますね。
図3:kintone顧客リスト
(クリックすると拡大します)
kintoneに接続したら、「kintoneビルダー」を開きます(図4)。このビルダー機能を用いることで、読み込みたいレコード情報を簡単に呼び出せます。
図4:kintoneビルダー
kintoneビルダーの左側上段(①)には、ユーザのkintone環境上にある現在のファイルが表示されます。その右側(②)にはファイルの中のレコード情報が表示されます。読み込みたいレコード情報にチェックを付け、「保存」をクリックします。
次に図5のようにマッパー関数(データのマッピングをする関数)を選んで、選択したレコード情報をCSV形式に変換し、電話番号レコードの下4桁を「*」でマスキングする設定を行います。マスキングの手順については、前回のコラムでも詳しく解説しましたね。
図5:マッパー関数
図6がマッパー関数実行後のファイルを開いたものです。設定通り、電話番号レコードの下4桁が「*」でマスキングされていますね。
図6:加工実施後のCSVファイル
鈴木
いえいえ(笑)。先ほどお伝えしたように、90種類以上の連携アダプターを用意しているので、主要なSaaSやクラウドサービスと簡単に連携できます。今回のデモではCSVファイルとして出力しただけでしたが、生成したファイルを他のSaaSやシステムに受け渡すこともできます。ちなみに、標準機能としてSOAP、REST、HTTPSなど様々な通信方式にも対応しているので、もし連携アダプターに対応していないサービスがあっても、そのサービスの仕様に合わせた通信方式でアクセスが可能です。
また、ビルダー機能を使えば対象ファイルのレコード情報もGUI上で確認できるので、複雑な処理連携も簡単に開発できます。
佐藤
そうですね。自分たちで連携ツールを作成する必要がないので、システム設計や開発にかかる工数を大幅に削減できます。
鈴木
その通りです。今はSaaSをはじめとするクラウドの利用が当たり前になっていますが、早く・かんたんにSaaSを活用できれば、新たなチャレンジや価値創出の取り組みにスピーディに着手できます。
また、既存のオンプレミス環境に1対1で個別に作り込んでいる連携基盤があったとしても、段階的にこのサービスに統合すれば、シンプルかつ最適なデータ連携基盤を実現できます。多様なSaaSの活用やデータ活用の取り組みを加速できるサービスだと思っています。