かんたん・セキュアにデータ連携…
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かんたん・セキュアにデータ連携(EAI)を実現できる「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、使い方が無限大。本企画では、具体的にどんな活用方法があるのか、開発者に実践を交えて解説してもらいます。今回のテーマは「データベースの活用」です。
※データベース機能は2023年8月にリリースしました。
登場人物
IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部長
鈴木 透
IIJ
クラウド本部
プラットフォームサービス部 プラットフォームサービス課
佐藤 陽平
鈴木
連携アダプターを使えば、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなどのデータベースとつなぐことができますが、データベースの形式に加工する作業も結構手間なんですよね。加工のためのデータの一時的な置き場所も必要になってきます。
鈴木
実はそうなんです。2023年8月にリリースしたデータベース機能を使えば、データの蓄積や加工、集計も「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」上で行えますよ。
鈴木
例えば、SaaSデータのコピーDBとして利用できます。SaaSから定期的にデータを取得し、コピーをデータベースの形式で保持しておけます。SaaSのAPIにアクセスせずとも、使い慣れたSQLを利用して様々なシステムからSaaSのデータを参照・活用できるのです。SaaSデータのバックアップとしても使えますね。
佐藤
従来は、連携の前処理のためのデータの一時蓄積はCSVなどのファイル形式で保存する必要がありました。今回データベース機能を追加したことで、テーブルをそのままの形式で蓄積することや、SQLによる結合や集計が可能になったため、処理速度や利便性が向上しました。
鈴木
はい。今回は、kintoneのデータをPostgreSQLで扱えるようにするまでの手順を紹介しますね。先ほどお話した、SaaSデータのコピーDBとしての使い方になります。図2が今回のフローです。kintoneとは既に連携している状態から始めます。連携手順については以前もご紹介しましたね。
図2:今回のフロー
今回取り込むkintoneのデータは図3の通りです。
図3:取り込み元となるkintoneの顧客リストサンプル
(クリックすると拡大します)
次に、サービスのGUIから「kintoneビルダー」のデータ抽出操作画面を開きます。図4のように、取り込みたいフィールドコードにチェックを付け「保存」をクリックします。
図4:kintoneビルダーでのデータ抽出
(クリックすると拡大します)
次に、データベースのテーブルを更新する際に使う「RDBPutコンポーネント」を開き、その中の「SQLビルダー」を開きます。
図5:RDBPut内のSQLビルダーの設定
(クリックすると拡大します)
ここでPostgreSQL側にデータを取り込む設定を行います。先ほどkintoneビルダーで選択した、取り込みたいフィールドコードをチェックします。任意のスキーマ名を設定して「OK」をクリックします。これでkintoneデータのPostgreSQLへの取り込みは完了です。
図6がデータベース内の様子です。kintoneのデータが書き込まれていることを確認できますね。
図6:コピーされたDB内の様子
(クリックすると拡大します)
佐藤
オンプレミスやクラウド上に新たにデータベースを構築する必要がないのも大きなメリットです。すぐに利用を開始できる上、自前でインフラを構築する場合に比べて、コストも大幅に低減できます。
鈴木
複数のマスターデータを集約して統合マスターとして利用することもできますよ。
例えば、小売業では店舗とECサイトで商品マスターや顧客マスターが違ったり、事業ごとに別々にマスターを管理していたりすることがあります。そうすると顧客情報や購買履歴もバラバラ。複数のマスターを突合しないと、いつ・どこで・どんなものを買ったかという情報が正確に把握できません。せっかくデータはあるのに、これでは“宝の持ち腐れ”です。
コード体系が異なる複数のマスターを作り直すのは大変な手間ですが、今回の機能を使えば、変換表による関連付けや統一コードの付与を行うことで、複数のマスターデータを集約できます。
データ連携機能との組み合わせで、更新されたマスターデータをすぐに取り込んだり、情報が更新されたら連携先のマスターに反映したりする。そんなマスターデータ管理も一気通貫で実現できます。uSonarなどのクラウド型名寄せサービスとの連携にも対応しています。
更に前回紹介したプライベートネットワーク接続を活用すれば、非常にセキュアなデータベース活用も可能になります。
佐藤
もう1つ、特筆すべき特徴があります。それが「チェックポイント機能」です。
チェックポイントとは、実行データを保存するポイントのこと。データ連携フローの実行中にエラーが発生しても、このポイントまでの実行データは保存されているので、チェックポイントから処理を素早く再開することができるのです。一からデータ連携フローをやり直す必要がないため、エラー発生時の障害対策として非常に有効です。
佐藤
これまでの「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」はデータ連携のハブという使い方がメインでしたが、データベース機能のリリースにより、包括的なデータ活用プラットフォームへと進化しました。多彩なデータ活用が進み、これまで以上にDXの取り組みが加速するでしょう。