「情シスのキャリアについて考える」イベントレポート(前編)

情報システム部門の皆さまに、日々の活動や組織運営のヒントとなる情報をお届けする「IIJ 情シスBoost-up Project」。今回は、「情シスのキャリアについて考える ~情シス座談会/キーマンと語るトークセッション~」イベント前半の様子をレポートします。

<話者>
株式会社アクティオホールディングス 取締役 Chief Information Officer 井原 宏尚 様(写真左)
エクシオグループ株式会社 ソリューション事業本部 ICTエンジニアリング本部長 DX戦略部兼務 園 洋志 様(写真中央)
株式会社 LIFULL テクノロジー本部 コーポレートエンジニアリングユニット ユニット長 籔田 綾一 様(写真右)
IIJ サービスプロダクト推進本部 コミュニケーションデザイン室 向平 友治

目次
  1. 仕事観、転職検討状況、業種別年収分布と満足度
  2. パネリストの皆さんの会社の採用状況

今日は情報システム部門の皆さんのキャリアについて、パネリストの皆さんと一緒に議論していきたいと思います。テーマは3つ。1つ目は情報システム担当の仕事観、キャリア意識、転職検討状況は?2つ目は業種別年収分布、年収への満足度は?3つ目は情報システム担当のキャリアパスは?です
パネリストの皆さんをご紹介します。

井原様

アクティオホールディングス、井原と申します。アクティオは建設機械のレンタルをやっています。私は新卒からずっと情シス部門にいて、CIOやDX部門、データ分析の部門をやって、最近だと経営戦略部を立ち上げてそこの部門長をやっていたり、そんなキャリアになってます。

園様

エクシオグループ株式会社の園と申します。エクシオは通信設備の建設工事、そのほかにSI事業をやっている会社です。私はSI事業のインフラ系の責任者をやっているのと、戦略部と書いていますけど、弊社のIT部門を兼務しています。私はIT部門はあまり長くなくて、NTTに入って当時の事業部内のITをちょっとやっていましたけれども、20年ぐらいネットワークのインフラの開発をやっていました。その流れもあって、今の会社に入ってSIをやっていたんですけれども、2020年ぐらいにITの方も兼務するようになりました。情シスとしてはそんなに経験がないような人間でございますが、よろしくお願いします。

籔田様

不動産ポータルサイトホームズでお馴染みの株式会社LIFULL、籔田といいます。私は元々エンジニアとして入社しています。どうして情シス部門に興味を持ったかと言いますと、Web開発よりも社内BPRに興味が移ってきちゃったんですよね。そういうことをやっているうちに、Salesforceとかを使って社内BPRを推進していました。そしたらSalesforceも全社だし、情報システムも全社的な視点だし、一緒にやってという感じになって、今は情報システム部門の責任者として、Salesforceに限らず色んなものを使いながら社内システム刷新に取り組んでいます。

仕事観、転職検討状況、業種別年収分布と満足度

ありがとうございます。では早速、IIJが情報システム部門の皆さんを対象に、キャリアに関する調査をした結果をご紹介していきたいと思います。
まずは、現在働いている企業への入社方法を尋ねた設問の結果です。

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66%ぐらいが中途採用になってます。規模別に見ると、年商が高くなるほど新卒採用の割合が高いという分布になっています。
続いて「仕事をするにあたって何を求めていますか?」と尋ねた設問の結果です。情シス部門の方と他の職種の方とで異なる点は「人間関係が良好である」という点で、チームで仕事をする機会が多いからかな。あとは「意思決定にスピード感や柔軟性がある」という点で、やはり社内で何かを導入する時に、意思決定の早さみたいなのを求めたくなるのかなと感じています。

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現在の職種における良い点、嫌な点について尋ねた設問では次のような結果になりました。嫌な点については、1位が「社内で評価されづらい」で、私が普段情シス部門の皆さんと会話する中でもよく聞く話だったんですが、実は情シス部門だけではなく、どの職種の方もそう言っている、情シス部門に限らないということが今回の調査で分かりました。

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続いて、転職回数について尋ねた設問の結果です。

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約6割が転職経験者という分布になっています。
この1年間で、転職サイトのエントリーとか、カジュアル面談含む転職活動した人と尋ねた設問ではこのような結果になりました。

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情シス部門の方でいうと、約2割が1年間で転職活動をしていました。
情報システム部門とITエンジニアの方だけを年代別に分析してみたところ、情シス部門の方で1番転職活動をしているのは30代の方で、30代の方に限定すると約3割が転職活動をしているという結果になっています。

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なぜ転職を検討したかというところですけれども、これも3位が「人間関係」となっています。前の設問にもありましたが、チームワークがメインというところから「人間関係」が上位になっていて、他の職種と異なる点になるのかなと思います。

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続いて「人数は足りていますか?」と尋ねた設問の結果です。

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「足りていない」と言っている人の割合が1番多いのは、情シスなんですね。次がITエンジニアということで、需要がすごく上がっているのだと思います。
人数が足りているかどうかを情シスに限定して業種別に見た結果と、情シスの業種別の年収分布、年収の満足度の結果は次のとおりです。

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パネリストの皆さんの会社の採用状況

ここからはパネリストの皆さんと議論していきたいと思います。パネリストの皆さんが所属されている企業で、転職活動という視点で見たときに、ご自身の回りの環境はいかがでしょうか?

井原様

人が足りなくてキャリア採用したくてしょうがない状況はどの会社でも同じかなと思いますけど、弊社の場合はそんな状況ですが、なかなか来てくれない。

今どんな方を求めていますか?

井原様

いくつもあって、それぞれジョブディスクリプション書いてどうですか?ってお願いしているんですけど、なかなか応募してもらえないような状況なので、困ったなと。

応募してくれた方の質っていうよりは、そもそもの応募の数が少ない感じですか?

井原様

そうなんですね。それは会社の魅力かなと思うんですけど。

園さんいかがでしょうか?

園様

お恥ずかしながら情シス人材を募集していなくて、どちらかというとITエンジニア、システム系を募集しているという状況です。実はそこと情シスの中で人事交流やって完了させていて。なぜかというと、情シスってコストセンターと捉えられるケースがあって、そこで人を増やして、どれだけ売上を増やすんだと言われるとなかなか難しいものがあって。ITエンジニアという枠組みで採用して、何人か情シスに来るみたいなことをやっています。

情シス部門という目線で見た時に人は足りていますか?

園様

足りてはいないですね。そこはSIer部門の力を借りたり、関連のグループ会社にお願いしたりしていると思います。

ありがとうございます。籔田さん、いかがでしょうか?

籔田様

情シス部門の採用募集ってそんなにいないんですよね。例えば全体の従業員数が1,000人だったら1,000人中何人が情シスってある程度決まっていて、それ以上増やせないじゃないですか。

井原様

情シスの割合は1.5%って言いますね。

籔田様

22%の人が転職活動してますよって言うと、日本社会全体で情シスの中途採用の枠を考えると、需要と供給合っているのかなってちょっと気になっています。

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最近採用した人がもしいらっしゃったら、どのような人材でしたか?

後編では、下記の内容についてお話しています。

  • パネリストの皆さんの会社の採用状況
  • 活躍している人材とモチベーションを維持する方法
  • キャリアパスのモデルケースとお給料などの条件面の違い
  • キャリアアップのためにすべきこと
情シスのキャリアについて考える
~情シス座談会/キーマンと語るトークセッション~

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