帝国ホテルに勤めた後、法務関連…
IIJ 情シスBoost-up Projectでは、情報システム部門の皆さんに、日々の活動を更に充実させるためのヒントをお届けしています。
本記事は、情報システム部門で活躍する方々のキャリアを通じて、皆さん自身のキャリア設計や情報システム部門の魅力を再発見していただくためのコラムシリーズです。
今回は、自動車業界における営業、工場管理、採用業務の経験を経て、自動車用樹脂部品の製造及び販売を手掛ける東海理化NExT株式会社の情報システム部門にキャリアチェンジされた林 俊隆氏のキャリア遍歴についてお話を伺いました。
インタビュー
東海理化NExT株式会社 コーポレート部
林 俊隆氏
これまでに自動車関連企業3社を経験。自動車メーカS社で営業、福利厚生、ISO 14001関連業務、人事・労務、採用業務を担当。その後、C鋼業株式会社で自動車・産業機器用バネの生産管理を経験。現在は、東海理化NExT株式会社にて自動車用樹脂部品の製造を支える情報システム業務に従事。
林氏:
就職活動時は、自動車メーカを中心に志望していました。
S社に入社後、地方の自動車ディーラーで新車・中古車の販売や法人営業を経験しました。その後、約8,000名の従業員が勤務する工場で、福利厚生、ISO 14001関連業務、人事・労務業務に従事し、更に本社にて採用業務を担当しました。
多様な業務経験を積むことができましたが、単身赴任中だったこともあり、子どもの誕生を機に家族との時間を大切にしたいという思いが強まり、転職を決意しました。
生産管理を担う部門に配属となり、様々な種類のバネについて、材料の発注から工程管理、出荷までを一貫して担当していました。私は細かい作業に苦手意識があり初めは慣れませんでしたが、粘り強く取り組むことでスキルを磨き、業務に順応していくことができました。
課長としてチームをマネジメントしていた際には、成果が思うように出せなかったり、考え方の違いに悩んだりする場面もありました。その中で、自分自身やチームにとって何が最善かを真剣に考え、新しい環境で挑戦することを決意しました。この経験は、自分の強みや課題をより深く理解し、自己成長と新たなステージでの成果を目指す一歩となりました。
入社後、はじめに生産管理システムの移行業務を担当しました。
それまで使用されていたCOBOLベースのシステムは、メンテナンスが困難で在庫管理の効率化が課題でした。これを解決するため、親会社の東海理化が開発したWebベースの生産管理システムを導入することになりました。
新しいシステムへの移行自体に大きな抵抗はありませんでしたが、前職での生産管理経験とは作業手順や考え方に違いがあり、それを理解した上で移行作業や運用方法を検討することに苦労しました。
導入後は、生産の進捗状況を誰でも容易に確認できるようになり、業務の透明性と効率性が向上しました。特に間接部門から寄せられたポジティブな声は、大きな励みとなりました。
林氏:
情報システム部門に配属後は、Microsoft 365の導入とWi-Fi環境の整備を担当しました。
Microsoft 365の導入にあたり、不足していた機能や設定の知識は独学で補いながら準備を進めました。もともとIT分野に興味があり、自宅でのネットワーク構築経験もあったため、楽しみながら取り組むことができました。
独学で学ぶことが多かった一方、様々なベンダーとのやり取りを通じて、新たな知識や視点を得る機会も多くありました。仕組みを調べたり、他者との対話を通じて学びを深めたりすることが、楽しみのひとつでもありました。
どんな仕事にも、自分が興味を持てる部分を見つけることが重要だと感じています。そこを起点に知識を広げていくことが、効率的に学びを深めるコツだと思います。
企業の効率化とコスト削減を更に推進するための取り組みを強化していきたいです。
具体的には、親会社が使用しているシステムを当社にも導入することが最も効果的だと感じています。
例えば、当社では現在、総務系の基幹システムは親会社と異なる仕組みを使用しています。しかし、業務内容は基本的に同じであるため、親会社にアウトソーシングすることで、グループ全体の利益を一元的に把握し、効率的な管理運営が可能になります。
親会社とのシステム統合を進めることで、より合理的でスピーディな意思決定を実現したいと考えています。
私の使命は、経営層が最適な判断を迅速に下せるよう、ITを活用してサポートすることだと考えています。経営判断に必要なデータは膨大であり、それらを効率的に収集し、リアルタイムで提供する仕組みが重要です。ITの力を最大限に活用し、経営に貢献していきたいと思っています。
ITは企業活動の基盤として欠かせない存在であり、さまざまな業務に関与できる点に大きな魅力を感じています。
かつては人事部門や総務部門が業務の統制を主に担っていましたが、現在では情報システム部門もその一端を担うようになりました。
この変化により、サポート業務にとどまらず、組織全体の成長に寄与する重要な役割を担えるようになったことにやりがいを感じています。
林氏:
キャリアを振り返る中で感じるのは、自分の意志を持ちながらも、すべてを思い通りに進めようとせず、状況に応じて柔軟に対応することの大切さです。私は、キャリアの流れを自分で作り出してきたというより、自然な流れに身を任せながら歩んできました。
大学卒業後にS社へ入社しましたが、順調な道のりばかりではなく、多くの困難に直面しました。また、転職先では思うように成果が出ない場面もあり、「自分ではコントロールできないことがある」という現実に気付かされました。
その一方で、周囲からの評価や期待を感じたときは、それを「後押し」と捉えて流れに従い、その方向に進むことを大切にしてきました。無理に逆らうのではなく、周囲と協調しながら前進することで、結果的に良い方向へと進むことができたと実感しています。
キャリアには成功もあれば失敗もありますが、これまで流れに身を任せて柔軟に進んできたことは、自分にとって正しい選択だったと感じています。