#9 リモートアクセスの通信制御はどうする?IIJ情シスの活用術

特集

IIJの情シスはどうやって自社デジタルワークプレース(DWP)を実現したのか?

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リモートアクセスの「快適」と「安全」を両立させる鍵は通信制御にあります。「ビデオ会議通信のオフロード」ほか、IIJの情シスが実践する通信制御のコツを聞きました。

目次
  1. Teams会議は通信制御で快適に
  2. 管理者に寄り添う制御機能で、セキュリティと管理を両立
  3. 今後も「快適」と「安全」を追求
快適&安全を実現する次世代リモートアクセスの
ガイドブック
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登場人物

IIJ 情シス

関 一夫

IIJグループの社内ITインフラを統括。
インフラからアプリケーションまで豊富な知識と経験を備える

IIJ 情シス

飯島 亮介

リモートアクセスの企画運用を担当。
快適で安全なリモートアクセス環境の更新プロジェクトを推進

(聞き手) IIJマーケティング担当 向平

Teams会議は通信制御で快適に

以前のインタビューで、自社のリモートアクセスサービス「IIJフレックスモビリティサービス(以下フレックスモビリティ)(※)」を、IIJ社内でも利用していることを聞きました。
今回は更に深掘りして、フレックスモビリティの活用についてお聞きします。フレックスモビリティの機能には「快適性」と「セキュリティ強化」の2つの側面がありますね。まず、快適に利用するためにはどんな機能を使っていますか?

※ 2022年1月に機能強化版の「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」をリリースしました。

飯島

「スプリットトンネル」という、Teamsビデオ会議の通信を直接インターネットへオフロードさせる機能を使っています。

この機能は、最初から使っていたんですか?

飯島

いえ、最初は使っていませんでした。フレックスモビリティはビデオ会議のようなリアルタイム性を求められる通信でもサクサク使えることが特徴の1つです。
それが2020年春頃の緊急事態宣言以降、Teamsビデオ会議の利用者が増えるにつれて、「ビデオ会議の品質が悪い」と社内から言われるようになったんです。ボトルネックはリモートアクセス設備ではなく、インターネットゲートウェイなど別の箇所にありました。

対応の一環として、社内ネットワークの帯域増強やインターネットゲートウェイの強化などを行いました。更にフレックスモビリティのスプリットトンネル機能を利用して、通信をオフロードさせることにしました。

ビデオ会議で発生する通信は、すべてオフロードされるんでしょうか。

飯島

音声とカメラ映像の通信だけがオフロードされます。チャットやファイルの通信はオフロードさせず、社内ネットワークを経由していますね。

なるほど、比較的帯域を消費する通信のみをオフロードしているんですね。
ビデオ会議の品質に関する問い合わせは、なくなりましたか?

飯島

はい。それ以降、大きな問題は起きていないですね。インターネットゲートウェイを増強すれば済む話でしたが、無尽蔵に増え続けるビデオ会議のトラフィックに合わせて増強するコストをかける必要もなくなりました。

実際に利用する私達も快適にビデオ通信が行えていますが、管理者側もキャパシティ管理や対応が楽になったんですね。

管理者に寄り添う制御機能で、セキュリティと管理を両立

セキュリティを強化する機能についてはどうですか?

飯島

セキュリティ上、Teams音声・映像の通信はオフロードさせるけれど、チャットやファイルの通信はオフロードさせない、というルールを書きたかったんです。
少し細かくなりますが、フレックスモビリティでは1から65535までのポート単位で通信制御できます。
リモートアクセス製品の中には、アプリケーションの指定や、広範なポートしか指定できないものがあります。そういった製品では、セキュリティ上、あるポートを閉じたい場合には、広範なポートを閉じなければなりません。その範囲内にシステム管理者側で利用したいポートがあっても使えないんです。
フレックスモビリティはポート単位で細かく通信制御できるので、非常に便利ですね。今まで、こういう製品はありませんでした。

管理者にとって、とても使い勝手がいいんですね。

飯島

他にも、ユーザ端末へ設定ファイルを配信するときなどに、必要ポートだけ利用するといった活用法があります。セキュリティと管理性を両立できるんです。

今後も「快適」と「安全」を追求

今後、利用したい機能はありますか?

飯島

接続するデバイス・ユーザによって、アプリケーションや接続先を制御する機能を利用したいと思っています。

どんなシーンで使う予定ですか?

飯島

現在、IIJ社員のみがフレックスモビリティを利用していますが、今後はIIJに勤務しているパートナー企業の皆さんにも利用してもらう予定です。
デバイス・ユーザによってアクセスできるアプリケーションやIPアドレス範囲を指定し、権限制御をしたいと思っています。

パートナー企業の皆さんも、快適に利用できるようになりますね。

飯島

あとは、クライアント側のアプリケーションの状態を見て、接続可否を制御する機能も利用したいですね。例えば、ディスク暗号化のBitLockerの有無をチェックして接続可否を制御するなど、更にセキュリティを強化していきたいと思っています。

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