#10 IIJのPower Platform活用事例~エンジニアでなくてもアプリケーション開発ができる!

特集

IIJの情シスはどうやって自社デジタルワークプレース(DWP)を実現したのか?

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業務効率化を目指して、Power Platformを社内に普及させるため、情シスが考えた秘策とは?面倒な承認フローの自動化など、実際の活用例について聞きました。

目次
  1. Power Platformで会社全体の生産性向上に
  2. Power Platformの活用事例 ①定型メールの作成
  3. Power Platformの活用事例 ②承認フローの自動化
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登場人物

IIJ 情シス

関 一夫

IIJグループの社内ITインフラを統括。
インフラからアプリケーションまで豊富な知識と経験を備える

IIJ 社内エバンジェリスト

古賀 勇

IIJサービスのメールスペシャリスト。
業務の自動化を進めたり、社内で駄菓子屋を運営したり、多様な活動をするアイデアマン

(聞き手) IIJマーケティング担当 向平

Power Platformで会社全体の生産性向上に

今回は、IIJのPower Platformの活用事例についてお聞きします。Power Platformは、ローコーディングでアプリケーション開発できるPower Apps(パワー・アップス)、自動ワークフロー作成ツールのPower Automate(パワー・オートメート)、BIツールのPower BI(パワー・ビーアイ)の3つが含まれるサービスですよね。

そうですね。IIJの社内情報システムの大きな方針は、「クラウドサービスをフル活用する」という方向性でして、Microsoft 365はその中でも中心となるサービスと捉えています。
今回のコロナ対応でWeb会議やチャット利用など、デジタルコミュニケーションとしての活用はできていると思いますが、次のステップとして、Power Platformの活用を社内に普及させたいと思っています。

Power Platformの活用ができると、エンジニアではない一般社員でも、業務を効率化するために簡単なアプリケーション開発や自動化ができるようになるので、とてもよいですね。

はい。特に業務効率化の観点ではPower AppsとPower Automateの活用がポイントと考えています。
Power AppsはMicrosoft 365と連携するための高度なアプリケーションを、すばやく開発できるツールで、技術部門以外でも自作のアプリケーションを活用できます。Power Automateは様々なタスクの自動化ができるツールで、これもうまく活用できると部署内で業務効率化が進んで、会社全体として大きな生産性向上が見込めると思います。

IIJはMicrosoft 365を導入しているので、ライセンス的にも、誰もがPower Platformを使える環境にありますよね。

そうですね。基本的な機能はライセンスの範囲で利用できます。ただ、Web会議と比べるとやはりPower Platformの利用はハードルが高いと思います。特にPower AppsやPower Automateを社内の誰もが活用できるようにしたいと思ったとき、「どんなシーンで、どんな使い方ができるのか」といった開発例というか、利用例がないと広く普及しないだろうと考えました。

確かに、一般論としてもアプリケーション開発は、最初は利用者側が解決したい課題とか、使い方を思い浮かべるところから始まりますね。
とはいえ、私も含めて、プログラミング経験がない社員にとっては、なかなか手が出しにくい印象はありますね。

そういった社員も多いので、まずは、アプリケーション開発の経験のある社員に、多くのユースケースを公開してもらおうと思っています。
そこを起点に、アプリケーション開発の初心者でも、業務で抱えている課題を自ら解決しようとするモチベーションが高まることを期待しています。
今後は、定期的に、開発経験がある社員に社内セミナーで登壇してもらう予定です。

利用者が増えると、たくさんの小さなアプリケーションが存在することになりますよね。そうなると、情シスとしての管理工数が心配になるんですが、その点はどうでしょうか。

Microsoft 365はクラウドサービスなので、例えば利用者というか開発者が増えたとしても、情シスとしての管理工数に大きな影響はないですね。その点もクラウドの大きなメリットです。コストについても、基本的な機能はライセンスに含まれているので、活用してもらえばもらうほどコスト効率が上がることになります。
そういうわけで、社内で活用が広がるとよいと思っています。

古賀

私も最初はPower Platformって何だろう?というところから始まったんですが、使ってみると、とても便利ですね。私自身がエンジニアということもあって、定型的なものはなるべく自動化したいと思っているので、Power AppsとPower Automateでいろいろな業務を自動化しています。また、その活用事例を誰もが見られるように、社内で公開しています。

Power Platformの活用事例 ①定型メールの作成

Power Platformの活用事例を教えてください。

古賀

一番シンプルな例でいうと、業務連絡や社内の定期的な連絡など、定型的なメールを何度も作成するシーンってあると思います。それを簡単な操作で作成できるようなアプリケーションを作りました。これならアプリケーション開発未経験者でも簡単に作れるし、おそらく多くの方が思いつきやすいユースケースですね。

確かに、とても簡単に見えますね。定型的にメールを送るシーンは多そうです。

Power Platformの活用事例 ②承認フローの自動化

古賀

部署内の承認フローの自動化も行いました。
それまでは上長にメールで申請書のPDFを送って、上長数名にPDFのスタンプ機能で承認印をもらうフローで運用していました。

<承認フロー>

  1. 申請書のPDFを作成し、承認者を含めた所定のアドレスへ送信する
  2. 承認者(上長)はメールを受信した後、そのPDFをローカルに保存する
  3. Acrobat Readerを起動してスタンプ機能を呼び出す
  4. 部署名、日付、名前を入れたスタンプを作成する
  5. 適切な場所にスタンプを配置する
  6. PDFを保存する
  7. メールにPDFを添付し、適切な宛先を入れて送信する

特に2番以降は承認者側である上長の手順なんですが、結構ステップ数が多いですよね。
上長は基本的に忙しいので、負担が大きかったと思います。

このフローは他部署でもよくありそうですね。本格的なワークフローアプリケーションを導入するまでもないけれど、頻度もそれなりにあって工数を要する手順ですね。

古賀

承認を依頼する側としては承認されたPDFが欲しいというより、上長からの承認されたログがあればよいですよね。そこでMicrosoft Forms(以下、Forms)も組み合わせて、依頼者がFormsに必要事項をエントリーすると、承認者である上長に通知が飛び、Power Automateで承認するだけでフローが完了するようにしました。これで、承認者はわざわざPDFを開かなくてもよく、スマホでも承認できるようになりました。
また、これまで手作業で作成していた申請書も自動化しました。すべての承認が終わると、元の依頼者にスタンプが入った状態で申請書のPDFが送られる仕組みです。

なるほど。こういった事例を他の社員が見て、自分の業務も自動化できれば、会社全体で生産性が高まりそうですね。

古賀

あとは、他部署から、お客様向けサービスに関する申請を受ける場合にも、Power Automateで申請受付を自動化しています。それも含めて自動化の例がいくつかありますので、また機会があればご紹介します。

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