クラウドやSaaSの利用が浸透…
近年、企業のデータ活用への取り組みが急速に広がっています。データ活用を行い経営効果を上げている企業がいる中で、次のように悩まれている企業も多いのではないでしょうか?
この記事では「データ活用」をテーマに2023年2月20日に開催したセミナーの内容を前後編に分けてご紹介。前半では、企業のデータ活用を効果的に推進するためのツール選定のポイントや、導入に必要な考え方について、株式会社システム情報様をお招きしてポイントを解説いただきました。
まず、現在の日本のデータ活用の最新動向についてです。
大手企業や政府が行ったデータ分析に関する調査結果によると、日本の組織の大半は、依然としてデータ成熟過程の初期段階にあります。データ分析に大きな価値を認める反面、組織的な取り組みが遅れてしまっているのが現状です。
データを活用している企業のうち「何かしらの効果があった」と回答しているのは半分以上です。
一方で、データはあるがそれを活用できる環境が整っていない企業が多いようです。
企業が抱えている、よくあるお悩みについて2つご紹介します。
1つ目は「ビジネスモデルの改革のために、まずはデータ分析をしたい(してくれ)」と言われ困るパターンです。
2つ目は、データ分析に取り組んでいるものの、思うように活用できていないというパターンです。
このような課題の原因と解決策は次のスライドのとおりと考えられます。
次の項目で、課題を解決するためのデータ活用ポイントについてご紹介します。
データ活用の大まかな流れとしては次のとおりです。
一連のデータ活用フローを継続的に行うためには、必要な機能を提供するためのシステム基盤が必要です。各フェーズのポイントをご紹介します。
はじめに事業・業務の状況をもとに、ビジネスの目的・目標の策定を行い、目標に向けて分析方針の策定を行います。
次にPoCの計画・検証を行い、分析結果の有用性を確認してから、本格的な運用を開始するのがポイントです。
業務データやオープンデータなど、分析対象となる各種データを取得するフェーズです。
ただ取り込めば良いというわけではなく、収集したデータを誰でも取り扱えるように、分析に必要のない機密情報にはマスキングを行う。傍受や漏洩を防ぐために、データ転送経路をセキュアな状態にしておく。データは暗号化しておくといった加工作業も、データ収集では重要なポイントです。
データ蓄積フェーズで特に重要なのは、適切な形でデータを管理することです。
データ蓄積は耐久性と拡張性に優れたデータウェアハウスを採用することがポイントです。
また、分析用途に応じたデータセットを簡単に素早く作れるような形で保持することが重要で、それにより次の利活用フェーズで様々な要求に対応できます。
データ利活用フェーズでは、ダッシュボードによるデータの可視化や、レポートの作成、統計やAIを使った高度な分析を行います。
データの利活用には検証と分析の繰り返しが大切であり、継続的なデータ分析の運用をするためにはデータ管理が必要です。
次にこれらを踏まえた上で、データ分析・活用事例をご紹介します。
1つ目は、自治体様向けの防災減災支援サービスの事例です。
こちらは地域の防災・減災を支援するサービスです。災害リスクを早期に把握し、次の災害に備える目的で、災害リスクの事前予測やリアルタイムな可視化、災害発生時の被害推定などを分かりやすくダッシュボードに表示します。
こうした分析・活用結果をもとに、利用者様は実態調査や対策案を検証し、より多くのデータを更に分析・活用することで、継続的な防災・減災の取り組みを可能にしています。
2つ目は、顧客行動解析によるデータドリブンマーケティングです。
ショッピングモール全体の施策(季節ごとのセール、ポイント施策)ごとに、売上にどれくらい効果が出ているのか把握したい、更に効果的な施策を打ち出したい。そういった目的のためにターゲット顧客を明確にして、より効果的な施策を打ち出すための活用事例です。
訪問テナントの数・順番などをもとに顧客の傾向分析を行い、施策による導線効果の違いや、常連客の動向などを分析することで、より集客効果のある施策を打ち出すための支援を行います。
株式会社システム情報様では、データ活用のノウハウを集約したDMPソリューションを提供しています。
DMPソリューションは、これまで説明してきたような超上流工程のアセスメントから維持管理・分析業務までがワンパッケージになったサービスです。
◇後編へ続く