2023年9月21日に「情シス…
ITの活用なくして企業の成長を実現することが難しい時代となった昨今、情報システム部門にはリーダーシップを発揮し、IT戦略を牽引することが期待されています。しかし実際の現場では、IT部門が業務部門の下請け状態になっていたり、コストセンターと見なされていたりと、社内におけるポジションの確立が難しく、多くの課題を抱えお悩みの方も多いのではないでしょうか。
こうした課題へのヒントを探るため、2023年9月21日に「情シスが変革のリーダーシップをとるには」をテーマとしたセミナー「IIJ Motivate Seminar」を開催。ファーストリテイリングやRIZAPのCIO(最高情報責任者)を歴任したISENSE株式会社の岡田章二氏に登壇いただきました。
前半は岡田氏による「経営に資する情シスになるための思考転換のヒント ~情シスが変革のリーダーシップをとるには~」と題した講演、後半はIIJの向平と共に、視聴者から寄せられた質問に回答するQ&A・トークセッションの2部構成で展開されました。本記事ではこのセミナーの模様をお届けします。
◇ 本記事は後編です。前編も併せてご覧ください。
セミナーの後半は、引き続きISENSE株式会社の岡田氏に加え、IIJ サービスプロダクト推進本部 コミュニケーションデザイン室 シニアプログラムマネジャーの向平によるファシリテーションのもと、皆さんからいただいた質問にお答えするQ&A・トークセッションが繰り広げられました。ここではその一部をご紹介します。
岡田氏:
競争状態に入っているのは間違いないと思います。求める給与レンジが上がっている状況もあるでしょうが、それ以上に、仕事における魅力を重視している人が多いように感じます。
以前所属していた企業では、人材獲得のためにメディアで私の考えを発信する試みをしました。私がこの会社で何をしたいと思っているかや、IT人材の新しいキャリア形成などについて『「言われたものを作るだけ」という立場から「会社を変えていく中心リーダーになろう」』というメッセージを記事にしてもらったのです。
すると、それに共感した多くの人たちが集まってきてくれました。
今の人たちは、決して給料だけ見て仕事を決めているわけではないと感じます。条件を落としてでも転職したいという人も多いです。
そうした人たちを獲得するには、どのような面白いことができるのかを描けないといけません。情シスが改革の中心にいるような会社でないと、楽しくないと思われてしまうのではないでしょうか。
岡田氏:
業務に寄り添うIT組織を作るということです。
従来の情報システム部門従事者のマインドとして「要望を聞いてシステム化する。エンドユーザーがお客様である」といった考え方を持つ人が非常に多いです。
そうした中で、時には現場の声を否定しながら、変革を進めていくというカルチャーを作ることが一番腐心した点です。
システム部門が議論しなければならないのは「何の課題を解決するのか」という点です。しかし、本来解決すべき課題というのは、ITで直接解消できるものではありません。仕事のやり方や物事の判断の仕方を変えることで実現します。
システム部門は、その変革を支えるための仕組みを作るのだ、という考え方をもつことが非常に重要です。
あとは、経営と同じ目線をもって成長を信じ、先回りしてものごとを考えなければなりません。そういったマインドを持った組織にすることが難しくもあり、大切なのです。
当日はこのほかにも次のような質問が寄せられ、活発な質疑応答の時間となりました。
これらの質問への回答は、「イベント Q&A レポート」として一問一答の形式で資料にまとめています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひ併せてご覧ください。
IIJでは、企業の情シス部門で働く方に向けた情報発信を行う「IIJ 情シスBoost-up Project」を推進しています。この活動の1つである「IIJ Motivate Seminar」では、有識者による講演を通じて、業務における課題解消のヒントを探り、明日へのモチベーションを感じられる情報をお持ち帰りいただけるイベントを定期開催しています。
「IIJ 情シスBoost-up Project」の最新情報は、以下のサイトからご覧ください。