IIJでは、DX edgeとい…
この記事ではクラウド時代においても重要視されるサーバルームの在り方について解説します。
クラウドの利用が一般的になっている中でも、社内に置くサーバ機器のためにサーバルームを設置している企業は少なくありません。
クラウドへの移行途中だから……という理由だけでなく、あえて自社内にサーバを設置する選択がされていることも実際には多くあります。クラウド化の時代の流れに逆行するかのように見えますが、クラウド化が進行したがゆえに現れた理由があります。
クラウド利用が増えていくと、データ量やデータを呼び出す転送量による従量課金が積み上がり、想定以上の負担となります。
クラウドを使うということは、社外にあるリソースにネットワーク経由でアクセスする、ということです。社内のLAN上にあるサーバよりも物理的に離れた場所にアクセスするため、ネットワーク遅延は発生しやすくなります。また、社内とクラウド間のネットワーク帯域が十分に確保されていないと、遅延はますます増加します。
このようにネットワークの遅延が業務に影響してしまう場合、遅延を極力抑えるため広帯域のネットワーク回線が必要となり、ネットワークコストの負担が大きくなってしまいます。
個人情報など扱うデータの性質上社外に出せないものや、セキュリティポリシーによって社内に留めると分類したデータは、クラウドではなく社内サーバが必要です。
クラウドや、クラウドにアクセスするためのネットワークの障害時に業務が止まることを防ぐためには、BCP対策として社内にもバックアップを取っておくことが検討されます。
「クラウドファースト」でまずはクラウド利用をファーストチョイスとして検討する、という考え方はありますが、上記のような理由で自社内のオンプレ環境を残す判断がされています。
もちろんクラウド化にはメリットがあるので、適材適所でクラウドとオンプレを上手く使い分けていくことが、最適解ではないでしょうか。
ではオンプレ環境の設置場所であるサーバルーム整備の検討は、どのようなときに行われるのでしょう。
新しくサーバルームを整備するケースは、次のようなタイミングがあります。
①オフィスの引っ越し
②オフィスのレイアウト変更
③新しい拠点の追加
④これまでサーバルームがなかったが、必要になった
上記の①、②、③は、それぞれサーバルーム以外のオフィス設備も同時に必要となる、似たようなケースと言えます。皆さんもイメージしやすいのではないでしょうか。
一方 ④は、もう少し掘り下げてみると次のような背景が考えられます。
既存でサーバルームがあっても、検討が必要になるケースがあります(もちろん、設備が整っていないサーバルームだと、上記の④の背景と同様のことが考えられます)。
既存のサーバルームとは別の場所にもバックアップ環境を設けてレジリエンスを高める、というケースもあります。
クラウドサービスとオンプレのサーバルームを適材適所でどちらも活用していく……となると、運用の人的リソースが課題になってきます。オンプレのサーバルームはIT機器だけでなく、設備の稼働状態を把握し運用する必要もあります。
情報システム部門の人材不足も課題となっている中、運用リソースの削減と稼働状況の可視化が、これからのサーバルームには求められます。
企業活動における環境負荷の報告も求められるため、可視化機能には使用電力量なども必要です。
出典:株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)「全国情シス実態調査 2022 集計レポート」2022年11月
サーバルームを整備する際の設備面の要件には、サーバを置いて動かすためのスペース、電源容量、床の耐荷重、といったもの以外にも、最低限必要な機能要件として次のものがあります。
発熱容量が大きいサーバを冷やすためには、通常のビル空調だけではなく個別の空調を用意します。
水を使用したスプリンクラーは使えないため、ガス式などのIT機器にも使用できる消火設備に変える必要があります。
機密データの入ったサーバがあるサーバルームを、誰でも入れる状態にするわけにはいきません。社員による内部犯行や取引先からの要求などもあるため、部屋やラックの施錠だけでなく、誰が入室したかの履歴管理も求められます。
その上で、次のポイントも考慮する必要があります。
当初の整備にかかるコストはもちろんのこと、導入後の電気代、設備保守費、運用の人件費、設備更改時の費用などのトータルコストでの評価が求められます。
専用設備が必要なサーバルームは、将来の需要を予測しておかなければなりません。予測を間違えると、サーバが増えることで場所がなくなり新たに置くスペースがない、といった事態になってしまいます。
オフィスに入居したらすぐに使い始められるよう、前もって準備を進めておく必要があります。サーバルームの整備には平均で18ヵ月ほどかかるというレポートもあります。
IT機器を動かすためと、そのIT機器を冷やす空調のために多くの電力を消費します。環境負荷を抑えるという社会的な要求もありますが、昨今の高騰する電気代の負担を抑える目的でも、できるだけ高い環境性能が求められています。
サーバの稼働音は防音が施されていない場合、隣の部屋でもうるさいとクレームが出てしまうことがあります。部屋を壁でしっかり区切る、執務室から離れた部屋にするなどの検討が必要です。
多くのサーバルームに見られる課題や求められるポイントを、すべてクリアするのは大変です。しかし、DX edge マイクロデータセンター(MDC)はそれらを叶えるソリューションです。
サーバルームに必要な空調、消火設備、物理セキュリティなどをすべて搭載しており、設置するだけですぐに利用可能。物理セキュリティと連動したカメラを搭載しているため、誰が開錠したかを撮影して証跡を残せます。
静粛性も高く、会議室の片隅に置いても気にならないレベルです。防塵・防水のIP65性能のあり、まさに様々な場所に設置できるため、自由度の高いオフィスレイアウトを実現。スモールスタートしても順次追加していけるため、将来を見越した厳密なサイジングは不要です。
サーバルームのような部屋全体を冷やす必要がないため、空調効率が高く省エネ性能に優れており、CO2排出量や電気代も抑制します。
運用保守は、IIJがリモートから行うサービスが付いており、お客様の運用負担を軽減。そして、トータルコストは従来のサーバルームよりも削減できます。
まさに、MDCはクラウド時代の新しいサーバルームと言えるでしょう。
実際のオフィスに設置したMDCを見学することが可能です。少しでも興味を持たれたら、ぜひお問い合わせください。