#1 新人営業が、IIJのクラウド事業責任者に聞いてみた

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IIJ サービスプロダクト推進本部 営業推進部 クラウドソリューション課

高田

IIJ GIO(ジオ)などのクラウドサービスを担当している新人営業。

執筆・監修者ページ/掲載記事:14件

はじめまして。IIJに最近入社した新人営業の高田です。
クラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)」の担当をしています。IIJ GIOについてもっと知りたい私が、サービスの開発者にインタビューをすることになりました。

<今回話を聞いた人>
執行役員クラウド本部長 染谷 直
IIJのクラウド事業責任者です。勇気を出して突撃します!

IIJ GIOの営業を担当している高田です。今日はよろしくお願いします!
私は入社する前、IIJはネットワークの会社っていうイメージを持っていたんです。入ってみると、クラウド事業にもすごく力を入れているんだなっていうことが分かりました。

もともとIIJは、日本で最初の商用ISP(インターネットサービスプロバイダ)としてスタートしました。そこから徐々に、メールセキュリティゲートウェイとか、Webプロキシとか、ネットワークを使って新しい付加価値を作る方向に広がっていったんです。
クラウドっていうのは、その付加価値を作る上でベースになるテクノロジーなんですね。インターネットやネットワークを使った新しいビジネスを世界に広げるために、クラウド事業にも注力するというのが基本的な考えです。

そのクラウド事業では「IIJ GIO」というブランドが10年以上前からありますよね。

2009年から提供した第1世代のIIJ GIOは、いわゆるパブリッククラウド型のサービスと、VMware基盤を使ったプライベートクラウド型のサービスの2つのラインアップでした。
当初牽引したのはパブリッククラウドです。ゲーム業界なんかはたくさんのサーバを使うので、パブリッククラウドの領域はポーンと伸びたんですよね。でも、企業の中に持っているシステムを外に出すことには抵抗があった。
その後、第2世代をリリースした2015年くらいからかな、企業が自社の中に持っている重要なシステムをクラウド化する流れが出始めた。当初はパブリック型が牽引し、現在は逆転してプライベート型のビジネスが大きくなっているという状況です。

2021年10月に第3世代である「IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2」がリリースされました。なぜ、このタイミングでリリースしたんでしょうか?

実はまだまだ、企業のシステムっていうのは企業の中に残っていて、クラウド化しきれていないんです。理由はいくつかありますが、その1つは「古いシステムを移行しにくい」っていうことです。例えば、10年前に作ったシステムは社内に誰も分かる人がいなくて、クラウド化しようにもできない。塩漬けのシステムが結構あるんです。それで、企業の抱えている課題にもっと踏み込んでやらなくちゃいけないと思い始めました。これが、10月に発表した新サービスの背景です。

新サービスの特徴はどんなところにありますか?

1つが、既存のシステムをクラウド化するために従来のテクノロジーをそのまま利用できることです。VMwareベースであることで、アプリケーションを変えることなくクラウドへ持って来られます。
もう1つはスモールスタートです。お客様は、やっぱり小規模から始めたいんです。いきなり大きな投資をして大きなシステムをどんと移すより、小さく始めて徐々に増やしたいんですね。
パブリック型のクラウドは、1CPUっていう小さな単位で始めることができるけど、プライベートクラウドは物理サーバ単位で利用するので、いきなりサーバ1台数10万円とか、ポンっと始めるにはハードルが高かったんです。

既存のテクノロジーを使いつつ、最初の導入ハードルを下げるということなんですね。
最新のIIJ GIOはオンプレミスから移行しやすいということですが、オンプレミスのまま残しておくのは、やっぱり企業にとって良くないんでしょうか?

そうですね。オンプレミスに残し続けることによって、企業の負担って結構大きいんですよ。5年に1回発生するシステムの入れ替えで、一時的なキャッシュアウトが発生するし、既存システムからの移行も発生します。そこに多大なお金と人手がかかるのは厳しい、という声はよく聞きます。
IT後進国と言われる日本ですが、ITをもっと高度化して新しい価値を作る方へ進みたいですよね。ITの人材が少ない中で次のステージへ行くためには、雑多な仕事は排除すべきだと思うんです。5年に1回同じことをするだけですから。企業の中にいるIT部門の方には、新しい次の価値を作るために力を注いでほしいと思います。

クラウド化を進めているお客様で、Microsoft AzureやAWSを使われている企業も多いなっていう印象です。

僕たちは、先進的な機能をたくさん持っているクラウドサービスを使うことに関しては肯定的です。IIJ自身も、Microsoft AzureやAWSを使ったシステムの構築をたくさん手掛けています。ただ実態として、企業内のシステムをすべてパブリッククラウド化したっていう例はほとんどないんです。

そうなんですか?意外です。

ほとんどのケース、ほぼすべてのお客様は、オンプレミスに重要なシステムを残したまま、一部の業務をAWS化、一部の業務をAzure化というように使い分けているんです。重要なデータや機微なデータはオンプレミスで手元に置きながら、パブリッククラウドの先進的な機能を使いたいっていうことですね。
IIJとしては、お客様がオンプレミスに感じているメリット、つまり信頼感やセキュリティに対する取り組みに注力しながら、パブリッククラウドとIIJ GIOのハイブリッドな使い方を提案していきたいと思います。

なるほど。でも…大事なシステムをクラウドに預けるのが不安っていうのもあるかなと思うんですが、IIJ GIOではそういった安全性をちゃんと担保されているんですか?

まずお客様の環境とクラウドを、外部侵入できないクローズドなネットワークでつなぐ必要があります。IIJはネットワーク事業者として、通信も含めて保護するというところを担っています。日本企業が安心してつなげるクラウド、ということですね。
加えて今後、セキュリティを高める仕組みは順次強化していく計画です。

実際にIIJ GIOを使われているお客様には、どういった業種が多いのでしょうか?フルクラウド化の事例もありますか?

業界特化のクラウドではないので、お客様の業種は多岐に渡ります。公共、金融から流通、製造、サービスまで、幅広いですね。
ある企業では、レガシーな基幹システムはIIJ GIOで、新機能開発はAWSでというようにハイブリッドクラウドを実現されている例もあります。

サービスを売ることばかり考えていました…お客様には、いいとこ取りをしていただけたら一番かなあって思いました。
IIJ GIOは今回第3世代を出しましたが、第4世代の構想はありますか?

ないです(きっぱり)。いわゆるサーバとかネットワーク、ストレージなど基盤になる仕組みのことをIaaSって言いますが、IaaSに関しては、今作っているサービスで終わりにしたいんです。なぜなら、IaaSの世界で差別化することは、かなり困難なんですよ。IaaSに関してはやりきった感じがあります。
反対に、今ある基盤を使いながら、もっと上位のアプリケーションだったり、新しい機能だったり、そういったところに開発をシフトいきたいなと思っています。

なるほど。IaaSとしては今回のサービスが完成形なんですね!今後は、どういったものを開発予定ですか?

1つは、今回同時に発表したIIJ統合運用管理サービス(UOM)の新機能です。これまでは、システムの監視や障害の自動復旧のような、システムを安全に動かす仕組みを提供してきました。でも、Azure、AWS、IIJ GIOというようにマルチクラウドで複数のサービスを使うと、システムが分散して管理が大変なんですよ。
システム管理を効率化するための仕組みだったり、IT部門で日頃やっている業務をもっと効率化する仕組みだったり、そういった機能を新たに加えようとしています。キーワードは「セキュリティと効率化」ですね。

インタビューを終えて

IIJ GIOの歴史から知ることができて、とても貴重な経験になりました。IIJ GIOも他社クラウドも、それぞれの良さを活かしたマルチクラウドの考え方を聞き、今後はIIJ GIOだけにこだわらず、お客様に最適なクラウド化を提案していこうと思いました!
新しいIIJ GIOでは、プライベートクラウドとパブリッククラウドのイイトコ取りができるそうです。もっと深く知りたいので、次はサービス販売の技術責任者へ聞きに行ってみようと思います。(高田)