第1回 IIJアフターGIGAスクールセミナー~アフターGIGAスクールに必要なネットワークとは?~

IIJでは、「アフターGIGAスクール」をテーマとしたWebセミナーを複数回にわたり開催予定です。2022年11月に開催した第1回では、柏市教育委員会教育専門アドバイザー西田先生をお迎えし、アフターGIGAスクール環境を支えるネットワークに必要な対策・対応などを紹介しました。セミナーの内容を一部抜粋してレポートします。

<話者>
柏市教育委員会 教育専門アドバイザー 西田 光昭先生(写真左)
IIJ プロフェッショナルサービス第一本部 コンサルティング部 公共コンサルティング課 浮田 康央(写真中央)
IIJ 公共システム事業部 自治体等営業統括 丹野 圭二(写真右)

IIJ丹野よりまずは挨拶として、コロナ禍におけるトラフィックの伸び率が急激に増加している現状や、ある自治体様におけるネットワーク構成の変遷とトラフィック量の推移を紹介しました。

西田先生からは、1人1台環境となった令和の時代の学びにおいて、国からもクラウドの積極活用が唱えられていること。今後のトラフィックの伸び率などを考えると、高速なネットワークの構築およびトラフィックデータなどを活用した効果的な運用が必要であることを説明いただきました。

IIJ浮田からは、今後学校現場でネットワークに繋がらない・繋がりにくいという場合に備えた、ネットワークの「見える化」について紹介しました。組織のネットワーク状況を把握するために、構成図やネットワーク設計を基に通信経路上の懸念箇所を洗い出し、機器のパフォーマンスデータやトラフィックの内容についても可視化して分析を行っていくことが重要です。

当日回答した内容を含め、参加者様よりいただいたご質問と回答を紹介します。

ご質問
  1. 令和6年度よりデジタル教科書の本格利用が開始されるにあたり、事前に検討・準備しておくべきことを簡潔に挙げるならば何が必要ですか。
  2. 令和2年のGIGAスクール環境整備で1人1台端末環境を揃えました。以降、国からの調査アンケートが来るたびに各学校に確認をしていますが、なかなか手間がかかっています。実際にどの程度授業で使っているか簡単に調べる方法はありますか。
  3. GIGA端末、特にiPadやWindows端末のアップデートがあるたびにネットワークが止まってしまいます。何か良い手立てはありませんか。
  4. ネットワークが繋がらないと学校側から言われたときのチェックポイントはありますか。
  5. 事例にあった大規模自治体で、LBO(ローカルブレイクアウト)を選択しなかった理由はなんですか。
  6. L2ブロードキャストをVLANを利用して改善すると、どれぐらいの効果があるものなのですか。
  7. 見える化に興味があります。詳細な説明やデモなどは見せていただけますか?
  8. クラウド利用を前提とした運用方法や、セキュリティ対策について提案してほしいです。

Q1.令和6年度よりデジタル教科書の本格利用が開始されるにあたり、事前に検討・準備しておくべきことを簡潔に挙げるならば何が必要ですか。

(西田)

今後色々なコンテンツが使われていくと考えると、少なくとも今の状況でトラブル・使いにくさがあるという場合は改善しておくべきと考えます。
学校から使えないという声がなくても今の状況をきちんと把握することが重要です。

(丹野)

現在とある実証事業に参加しており、そのなかでも色々な議論があります。いくらネットワークを太くしても、ある程度事前にデータを送り込むような、効率的な仕組みをこの実証事業のアウトプットから提示できると思います。

(浮田)

今の利用環境において、まず回線が足りているのかどうか、輻輳していないか調べるのが大事です。利用するフェーズに入ってからのアセスメントも大事になるため、ぜひご検討ください。

Q2.令和2年のGIGAスクール環境整備で1人1台端末環境を揃えました。以降、国からの調査アンケートが来るたびに各学校に確認をしていますが、なかなか手間がかかっています。実際にどの程度授業で使っているか簡単に調べる方法はありますか。

(西田)

学習eポータルを使用している場合は、利用状況のログを見ると良いでしょう。
コンテンツを使っている場合は、コンテンツごとの利用状況について事業者から提供してもらえる場合もあるため、事業者と連携してみてください。
アンケート調査をMicrosoft Formsなどを使って日々実施するのも良いと思います。

Q3.GIGA端末、特にiPadやWindows端末のアップデートがあるたびにネットワークが止まってしまいます。何か良い手立てはありませんか。

(丹野)

令和3年度の文部科学省の実証事業でSINETに6団体を繋ぎました。iPadOSのアップデートのタイミングでの話ですが、3万人の団体様と1万人の団体様の間でトラフィック量の差が9倍くらい出ていました。このことから、iPadOSについてはMacMiniをキャッシュとして使うというのが有効な手立てです。一方で、Windowsの場合はWSUSサーバをデータセンターに置くとネットワークを浪費するため、各学校にWSUSサーバを置くのが精一杯かと思われます。

Q4.ネットワークが繋がらないと学校側から言われたときのチェックポイントはありますか。

(西田)

令和3年度初等中等教育段階のSINET活用実証研究事業のガイドブックの中に、インターネット接続やアプリの動作が遅くなる原因についてまとめられています(8・9ページ)。チェックポイントを参考に、ベンダと連携して解決方法は探っていってください。

その他多くの質問をいただきましたが、当日は時間の都合上、すべてを回答できませんでした。残りの質問と回答をここで紹介します。

Q5.事例にあった大規模自治体で、LBO(ローカルブレイクアウト)を選択しなかった理由はなんですか。

最たる理由は「自分たちの組織で拠点あたりの帯域を設計できること」かと存じます。紹介しましたとおり、ベストエフォート区間があると帯域の優先確保はできず、急増するトラフィックに対応するために、より確実に帯域を確保される手段を選択されました。費用面は一概には申し上げられませんが、お客様の状況に応じてベストな提案ができるよう、弊社のソリューションの開発・提供を行っています。

Q6.L2ブロードキャストをVLANを利用して改善すると、どれぐらいの効果があるものなのですか。

GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の整備により、校内におけるブロードキャストパケットは確実に増大しています。また、様々な大学のLAN構築で培った経験から、1セグメントあたり最大でも/24未満(IPアドレス256個)のネットワーク設計をお勧めしています。このように、同一L2セグメント内での負荷やトラブル発生の影響範囲を小さく抑えるために、VLAN・セグメンテーション分割を推奨しています。

Q7.見える化に興味があります。詳細な説明やデモなどは見せていただけますか?

はい、可能です。見える化できるデータはお客様の環境に応じるため、ぜひ詳しいお話をお聞かせください。

Q8.クラウド利用を前提とした運用方法や、セキュリティ対策について提案してほしいです。

エンタープライズ、公共含めて、各種クラウドサービスの利用を前提としたネットワーク構築や運用案件の経験を活かし、お客様に最適な提案をいたします。
また、セキュリティ対策に関しては、第2回ウェビナーでも取り上げる予定です。ぜひご参加ください。

第1回セミナー開催後のアンケート結果

アフターGIGAスクールに関するセミナーを2022年度内に全3回開催予定です。皆様からのご意見、ご感想を次回以降のセミナーにも活かしていきたいと存じます。皆様のご参加をお待ちしています。

  • 2023年1月:アフターGIGAスクールに必要なセキュリティとは?
  • 2023年3月:アフターGIGAスクール事例紹介

本セミナーの資料を差し上げます ダウンロード(無料)