#14 新人営業が初めてデータセンター(白井DCC)に行ってみた

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IIJ サービスプロダクト推進本部 営業推進部 クラウドソリューション課

高田

IIJ GIO(ジオ)などのクラウドサービスを担当している新人営業。

執筆・監修者ページ/掲載記事:14件

こんにちは。新人営業の高田です。クラウドサービスを担当しています。前回は、白井データセンターキャンパス(以下、白井DCC)のデータセンター長 加藤さんに白井DCCの概要を教えてもらいました。今回は加藤さんに案内してもらいながら白井DCCを見学してきます!データセンターに行ったことはないので、中がどんな風になっているのか楽しみです。

<今回話を聞いた人>
基盤エンジニアリング本部 基盤サービス部 白井データセンターキャンパス 加藤 佳則

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目次
  1. 白井DCCの前に到着!
  2. まずはサーバルームを見学
  3. 冷却設備について
  4. 電源装置について
  5. マイクロデータセンター
  6. 今後の白井DCC

白井DCCの前に到着!

千葉県の白井市にある白井DCCに着きました!データセンターって広いんですね。初めて見たのでびっくりしました。敷地面積はどのくらいですか?

加藤

敷地面積は約40,000m²で、東京ドーム0.8個分です。関東近郊のデータセンターでは広い方ですね。

まずはサーバルームを見学

加藤

まずはサーバラックを見に行きましょう。

こんな感じでラックが並んでいるんですね。何ラックぐらいありますか?

加藤

今はまだ1期棟だけなので、約1,000ラックです。敷地面積で考えると、最大6,000ラックくらいを見込んでいます。

1,000ラックってサーバが何台くらい設置できるのでしょうか?

加藤

1Uのサーバであれば、約4万台設置できます。

そんなに設置できるんですね。ここにあるサーバはどんな用途で利用されていますか?

加藤

お客様のハウジング用途が多いです。あとはIIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2をはじめとしたIIJのクラウドサービスに使われているんですよ。

冷却設備について

サーバルームは外気冷却と聞きましたが、実際にどんな設備か見てみたいです。

加藤

サーバルームの隣が空調設備機械室となっていて、外から取り込んだ空気を適温適湿に調整して、この黒いフィルター越しにサーバルームへ吹き込んでいます。

夏場など外気温が高く冷却に向かないときは、屋外の空冷チラーで冷やした冷水をこの下のパイプを通して引いてきて、室内を循環する空気を冷やしています。

電源装置について

冷却装置はサーバルームに必須なんですよね。停電したときに、この設備も止まってしまうんでしょうか?

加藤

そもそも電源装置は二重化していて、停電しにくい設計です。ただ何が起こるか分からないので、UPS装置と非常用発電機で主要な設備は保護しています。停電時でも冷却装置は動き続けるように備えています。

UPS装置って何ですか?

加藤

停電が発生しても、保有しているバッテリーから無瞬断で電力供給を継続できる装置です。

無瞬断ということは、停電してもサーバは止まらないということですか?

加藤

はい、止まりません。UPS装置で、非常用発電機が自動起動するまでの最大5分間のバックアップをします。非常用発電機が起動したら、館内すべての設備へ電力供給が再開されます。
外に非常用発電機があるので、見に行ってみましょう。

こんなに大きいんですね!これで何時間くらい電力供給できるんですか?

加藤

72時間は大丈夫です。

万が一72時間以上停電してしまったらどうなってしまうんでしょうか?

加藤

優先的に燃料調達できるようにもしています。72時間を超えるような停電時にも燃料補給して電力供給を継続できる体制を取っているんですよ。

しっかり備えているんですね。

加藤

はい。自社内ではなく、データセンターにハウジングする選択をされるお客様も多いです。

たしかに自社内のサーバルームで運用していると、そこまでの対策は難しそうです。

加藤

そうですね。社内のサーバルームだと、ビル自体の計画停電もあると思うので、災害時でなくても止まることはありますからね。

緊急時にこのような装置がちゃんと動くかちょっと不安ですが……テスト的なことは日々しているんでしょうか?

加藤

もちろんです。適切にテストしているので、何かあったときも慌てることなく対応できます。

マイクロデータセンター

加藤

次はマイクロデータセンターを紹介します。

この箱がマイクロデータセンターですか?

加藤

この小さい箱の中に、データセンターの要素を詰め込んでいます。どこにでも設置できる小型のデータセンターのようなイメージです。

小型のデータセンターってどんな時に求められるんでしょうか?あまりイメージが湧きません。

加藤

サーバルームの代わりとしてのニーズがあります。すべてのサーバをクラウド化するのは難しいことも多く、オンプレミスに残さざるを得ないお客様もいます。少し残ったサーバを自社内で管理するには、サーバルームの場所の確保や、電力・空調・セキュリティなどの設備管理や監視まで行う必要があり、運用がとても大変なんです。

マイクロデータセンターでも設備の運用や監視は必要ですよね。

加藤

マイクロデータセンターは、サーバを安全に動かすための機能がワンパッケージになっていて、遠隔から監視・運用ができます。つまり、IIJにアウトソースできるんですよ。

他にマイクロデータセンターの活用方法はありますか?

加藤

エッジデータセンターとしても活用できます。

エッジデータセンターとは何でしょうか?

加藤

利用者のデバイスに近いところにある、小規模なデータセンターのことです。
すべてのデータをクラウドに集約しようとすると、利用者のデバイスからクラウドまでの距離があるので、データ処理の遅延やネットワーク負荷などが懸念されます。デバイスに近いエッジデータセンター内のサーバで処理することで、低遅延を実現できます。

まずは、このマイクロデータセンターでデータを処理するんですね。特にIoT機器やセンサーはリアルタイム性を求められるから、最適ですね。
私はまだ、マイクロデータセンターが設置されているのを見たことがないんですが……今後は普及するんでしょうか?

加藤

クラウドシフトが進むのに合わせて、エッジデータセンターでの低遅延処理のニーズも増えてきているので、これから工場などにも設置され始めると思います。
屋内外問わず設置できて、小型でトラックに載せて移動ができるので、イベントで臨時にサーバが必要、といった場面でもニーズがありそうです。

今後の白井DCC

今後の白井DCCの計画について教えてください。

加藤

まずは2期棟の建設です。2023年7月から運用開始できるように工事を進めています。

たしかに外から建設している様子が見えました。2期棟はどのくらいの規模ですか?

加藤

1期棟と同じくらいの規模で1,000ラックくらいです。

まだ敷地があるようですが、3期棟の計画もあるのでしょうか?

加藤

今後のデータセンターの需要拡大にも対応するため、3期棟の建設も検討中です。

他にも今後予定していることはありますか?

加藤

太陽光発電パネルを設置し、運用開始しました。データセンター全体の数パーセント程度ですが、電力をまかないます。

データセンターの数パーセントってどのくらいでしょう?

加藤

1ラックでも一般家庭1世帯分以上の電気を使うので、データセンター全体の消費電力はかなり大きいです。数パーセントでも結構変わります。

データセンターの省エネには数パーセントでも重要ですね。

加藤

他にも検討していることはあるので、リリースを待っていてください!

初めてデータセンターに行ってみて
初めて見る設備ばかりでとても楽しかったです。サーバラックが並んでいるだけではなく、電源設備や冷却装置がしっかり災害対策されていることが分かりました。マイクロデータセンターのような新しいものもあり、今後も白井DCCはアップデートしていくと思うので、またレポートしていきたいと思います。(高田)