EAIとは?仕組みとツール選定のポイントを徹底解説

クラウド本部 プラットフォームサービス部

部長

鈴木 透

執筆・監修者ページ/掲載記事:9件

オンプレミスやクラウドに散在するシステムやデータをどうやって連携・活用するか。その解決策としてEAIの注目が高まっています。システムやデータを連携させる仕組みは他にもありますが、それらとEAIは何が違うのか。EAIを活用することで、どのようなことが実現できるのか。EAIの機能や導入メリット、最適なツール選定のポイントまで徹底解説します。

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目次
  1. EAIとは?
  2. EAIとETL、EDI、ESBは何が違う?
  3. EAIの実現はツールの活用が効果的
  4. EAIツールの懸念点はパフォーマンス問題
  5. EAIツール選定5つのポイント
  6. 代表的なEAIツール
  7. IIJが提案するEAI実現の新しい選択肢

EAIとは?

EAIとは「Enterprise Application Integration」の略で、複数のシステム間でデータや業務プロセスを連携させる仕組みのこと。EAIが多様なシステムやデータをつなぐハブとなることから、その仕組みは「ハブ・アンド・スポーク型」と呼ばれます。

EAIをハブとした連携イメージ

データベースやファイル、クラウドサービスなどと連携することで、分散しているデータや業務プロセスを統合することができます。

例えば、在庫管理システムと受発注システムを連携させれば、在庫切れの前に適切なタイミングで発注を行うことができ、販売機会ロスを防げます。営業管理システムの商談履歴と販売管理システムの売上履歴をもとに営業工数を分析することで、営業活動を効率化し、データドリブンなビジネスが加速します。

EAIの歴史は古く、その起源は1990年代に遡ります。当時はメインフレームからクライアントサーバシステムによるオープン化が進んだ時期です。企業内のシステムを組織や業務ごとに個別最適化したことにより、データが分断されるという課題が浮上しました。そこで利用されたのがEAIです。

現在はマルチクラウド化の流れの中で、オンプレミスや複数のクラウドに分散するシステムやデータを連携・統合する手段として、その重要性が改めて見直されています。

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EAIとETL、EDI、ESBは何が違う?

EAIと混同されやすい用語にETL、EDI、ESBなどがあります。それぞれの機能を紹介しましょう。

ETLとは

ETLとはExtract Transform Loadの略で、Extractは抽出、Transformは変換、Loadは書き出しを意味します。各種システムのデータを集約し、フォーマットを整えた上で格納先に書き出すのが主な用途。抽出・変換・書き出しの処理自体はEAIツールでも実現できますが、ETLは大容量データの連携に適しており、大量データも安定して処理できます。その特性を活かし、主にBIツールやDWHへデータを集約・統合するために利用されています。

EDIとは

EDIとは企業間取引を支える電子データ交換基盤のこと。企業のコンピュータをネットワークでつなぎ、契約書や受発注をはじめとした商取引に関する文書を電子的にやりとりするシステムです。

ESBとは

ESBとはEnterprise Service Busの略で、サービス指向アーキテクチャ(SOA)で利用される技術です。システムを「サービス」という単位の部品の組み合わせとして捉え、それらを疎結合で組み合わせることで拡張性の高いアプリケーションを構成することができます。

EAI、ETL、EDI、ESBの違い

EAIの実現はツールの活用が効果的

EAIの機能を有する製品を「EAIツール」と呼びます。

EAIツールは多様なシステムやデータベース、クラウドサービスとのインタフェースを豊富に備えています。ExcelやPDFなどのファイル連携にも対応し、処理の自動化を実現する機能も充実しています。

例えば、あるデータやファイルの更新をトリガーとして、別のデータやファイルの取り込みを起動することも可能です。これを活用すれば、複数システムにまたがる業務プロセスの統合や自動化を促進できます。

EAIの仕組みをスクラッチ開発する方法もありますが、プログラミング作業が必要になるため、開発工数とコストがかかります。システムの品質が開発者のスキルに左右され、属人化しやすいのも難点です。

EAIツールとスクラッチ開発の違い

EAIを実現するには、一から開発することなく多様な機能を利用できるEAIツールの導入が最適な選択と言えそうです。EAIツールの主なメリットは以下の通りです。

EAIツールのメリット

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EAIツールの懸念点はパフォーマンス問題

EAIツールは様々なメリットが期待できますが、一方で運用面では課題も指摘されています。

その1つが、パフォーマンス問題。EAIがハブとなり、データを集中処理するため、パフォーマンスの低下や障害発生時の影響を受けやすいのです。

こうした課題は、近年クラウド型のEAIサービスが登場してきたことで解決しつつあります。クラウド型EAIサービスを使えば、処理量や必要なパフォーマンスに応じて十分なコンピューティングパワーを割り当てられるため、性能や運用の安定性が向上します。

また、EAIツールは少量・高頻度なデータ連携、リアルタイム性が求められるデータ連携に適していますが、一度に大量のデータを処理するにはあまり適していません。大量のデータを変換・加工してDWHに集約するような処理はETLツールを使い、EAIツールとは使い分けがなされてきました。

ですが、昨今ではDWHもクラウド型が多くなり、負荷の大きいデータ変換処理は強力なコンピューティングパワーを持つクラウド上で行う形が主流になりつつあります。データの抽出と書き出しだけなら、ETLを使わずEAIツールでも代用可能なことから、様々なデータ連携用途でEAIツールの出番が増えています。

EAIツール選定5つのポイント

EAIツールにはそれぞれに特徴があるため、導入する際は自社のニーズやスキルレベルに応じて、最適なツールを選定することが重要です。ツール選定時の重要な5つのポイントを以下に紹介します。

(1)連携インタフェースの豊富さ

どのアプリケーションやデータベース、クラウドサービスと連携できるか。インタフェースの豊富さが使いやすさを左右します。主要なEAIツールはこの点で大差ありませんが、国産ツールは国産のクラウドサービスやパッケージソフトウェアに対するインタフェースが豊富で、仕様変更への対応も迅速です。海外産のツールは海外で広く利用されるクラウドサービスやパッケージソフトウェアへの連携に幅広く対応しています。

(2)ノーコードツールの使い勝手

多くのEAIツールはノーコード開発に対応しています。あらかじめ用意された機能を部品(アイコン)としてGUI上で組み合わせることでデータ連携処理が開発できますが、機能の豊富さと、部品の集約度が使い勝手のポイントになります。部品の集約度が高いツールは少ない部品の組み合わせでやりたいことが実現できるため、視認性が良く、高い開発生産性が期待できます。

一方、部品の集約度が低いツールは部品の組み合わせの制約が少なく、複雑な処理を柔軟に記述するカスタマイズが高いのが特徴ですが、ある程度のスキルが求められます。自社のスキルレベルや使い方を考え、正式導入前にトライアル版で事前に検証するとよいでしょう。

(3)サポート体制

ノーコード開発は容易とはいえ、一定の知識やスキルの習得は必要です。業務部門による内製開発を目指すなら、マニュアルや教育・トレーニングなどサポートサービスの充実度が重要になります。また、開発者コミュニティの充実度も確認しておくとよいでしょう。

(4)提供形態

サーバにインストールして利用するパッケージソフトウェア型と、サービスとして提供されるクラウドサービス型があります。クラウドサービス型は、面倒なサーバの運用をサービス事業者に任せ、EAIツールを利用したデータ連携処理の開発に集中できるというメリットがあります。ただし、オンプレミスにあるシステムとのデータ連携のネットワークを確保する必要があります。ネットワークサービスも含めて提供できるサービス事業者かどうかを確認しておくとよいでしょう。

(5)価格

パッケージソフトウェア型の多くは買い切りのライセンス提供となることに加え、インストール先のサーバの用意と初期構築コストが必要です。また、初期構築後のサポートサービスを受ける場合は、ライセンスコストとは別に一定のサポートコストを見込んでおく必要があります。

クラウドサービス型はサーバ構築の必要がなく、初期の導入コストが比較的安価です。課金形態は月額固定制と従量課金制の2種類があります。従量課金制はデータ流量や実行時間に応じて課金するものなど、いくつかのタイプがあります。スモールスタートするなら従量課金制が適していますが、データ連携先が増えたり、やりとりするデータ量が増えたりすると、コストが想定以上に増大することがあります。用途に応じて見極めることが必要です。

代表的なEAIツール

現在、様々なEAIツールが提供されており、そのクラウドサービス対応も進んでいます。その中で代表的なEAIツールと言えるのが以下の3つです。

  • ASTERIA Warp
  • DataSpider Servista
  • Magic xpi Integration Platform

IIJが提案するEAI実現の新しい選択肢

IIJクラウドデータプラットフォームサービス」はクラウド型でEAIを提供するサービスです。EAIのエンジンにはASTERIA Warpを採用しています。

用意されている連携アダプターは90種類以上。それをノーコード開発ツールで組み合わせることで、簡単にデータ連携フローを開発することができます。

IIJのネットワークサービスと組み合わせた「プライベート接続」もセットで提供します。お客様は個別にネットワークを用意する必要はありません。インターネットを経由しないセキュアな閉域網で、オンプレミスとクラウドサービス間のデータ連携を実現できるのです。

個人情報などの機微データを匿名化する「データマスキング機能」など、データセキュリティに配慮した機能も備えています。

更に、EAI機能と組み合わせて利用できるデータベースをオプション提供しており、データを一時的に保存したり、マスターデータを集約して参照用に利用するような使い方ができます。

このような簡単・セキュアにデータ連携できる仕組みを、エントリーエディションは月額12万円から利用可能。クラウドらしく低コストでスモールスタートできるサービスです。

マルチクラウド化の流れの中で、様々なシステムやデータ連携の必要性が高まっています。それ以上に大切なことは、連携・統合したシステムやデータをいかに活用するか。“つなぐ”だけでなく“使う”機能も充実した「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、従来のEAIを超える革新的なサービスです。