第10話:鎌倉市立腰越小学校に突撃!アフターGIGAスクールに必要なネットワーク整備後のリアルを聞いてみた

連載

先輩、教えて!
GIGAスクールのネットワーク

児童生徒のニーズや個性に応じた教育を目指す鎌倉市。1人1台環境の整備ののち、いざ活用を試みるとネットワーク環境に問題が生じたとのことで、IIJでもWAN周りの支援をいたしました。
今回はGIGAスクール推進校でもある鎌倉市立腰越小学校様にお伺いし、公開授業を通じてICT活用の実践の場を目の当たりにしました!

登場人物

たくみ部長

優しさとマメが取り柄の中間管理職。当人はしっかり仕事をしているつもりでもどこか肝心なところが抜けている。

みなこ担当

入社1年目、右も左もわからないままいきなり教育業界担当を課せられ困惑している。先輩からの叱咤激励に耐え、日々勉強に励む健気な新人営業。

鎌倉市立腰越小学校は開校から150周年を迎えるそうです!


みなこ
今日は鎌倉市様のGIGAスクール推進校の腰越小学校様にお伺いしています!
令和4年度のGIGA推進校公開授業ということで、しっかり勉強します!

たくみ
我々と同じく他の企業の方々も参加されてますね。中々教育の現場を拝見させていただく機会はありませんから、本日は楽しみですね!

みなこ
今日の日程表です。1年生から6年生まで、ICTを利用した授業を一斉に実施されるのですね。大変興味深いです!それでは早速行ってみましょうー!

当日の式次第と協議会内容。実に奥深いです……!
協議会1 主に知識技能の習得(インプット)を補助するためのICT活用
協議会2 主に話す聞く書く(アウトプット)を補助するためのICT活用
協議会3 主に協働学習(意見交換、気づき、変容)を促進するためのICT活用

5年生の算数の授業。プログラミングを使い、正多角形を描いてみる内容。
どのようになっていくか、児童たちが試行錯誤している姿が印象的でした。

(上)3年生の算数の授業。丸の位置の表し方を先生がクイズ形式で出題。
児童たちとの掛け合いが実に楽しそうでした。
(下)6年生の道徳の授業。母親の仕事について、様々な意見をJamboard上で可視化。
気持ちを色で可視化するため、内容がとても分かりやすかったです。


みなこ
1年生から6年生までの各教室を回ってみました。児童の皆さん、iPadを教科書のように自由自在に使いこなしていました。また、絵や図に触れて・動かして問題が解けたときの喜びを教室の皆と共有したり、お互いにやり方を教えあったり、まさに「主体的で、対話的で、深い学び」がここにあると実感しました!

たくみ
興奮冷めやらぬ感じですね(笑)! 私たちの小学校時代は紙と鉛筆で受けていた授業が、皆さんiPad片手に授業を楽しんでいるのが印象的ですね。GIGAスクール構想ってこのような形になるのですね。

みなこ
児童の皆さんが、iPadを利用して作った学習発表資料も拝見しました。自分たちの暮らす地元の歴史や、文化を紹介したパンフレットのように仕上がっていて、とても目を引かれました!

児童が端末を利用して作成した資料のイメージ


みなこ
次に基調講演として、株式会社COMPASSの神野元基様の講演動画を拝聴しました。Society5.0と学校3.0との関連性のお話などは、今後の社会と学びの展望の関わりについて大変分かりやすい内容でした!
また、神野先生が学校長を務められている東明館学園での授業では、同じ教室内でも各々持ち込んだ教材や端末を使って自主学習をする児童、今までのように先生の授業を受ける児童、グループ学習をする児童など様々であり、ICT活用により新しい学びの形が生まれているということが非常に興味深く感じました。

たくみ
シンギュラリティ(技術的特異点)のお話は、AI・自動化が益々進化を遂げていった先にある現実のお話として大変興味深いものでしたね。また、講演の中で紹介されていた千代田区立麹町中学校様は、GIGAスクール構想が発表される数年前からICT実証研究を実施されていた有名校ですね。経済産業省の「未来の教室」というプロジェクトの実施校として、私もそのお名前は耳にしていました。聞けば聞くほど、とんでもない時代がやってきますね~。

みなこ
授業の後、参加された先生・企業の方々が3つのテーマに分かれて協議会を実施しました。我々も恐縮ながら、協議会2「主に話す聞く書く(アウトプット)を補助するためのICT活用」に参加いたしました!

たくみ
低学年から高学年まで、色々な学年を担当されている先生方の生の経験を聞けましたね。
私の印象的なものを挙げると、利用ルールを定めるよりも、児童が端末を使った様々な経験に基づいて、モラルとして定着させるほうが大事というお話です。日常の使い勝手の中から自然と良し悪しを学ぶ方が、頭ごなしに言われるよりもすーっと身に付くことに納得感がありました。

みなこ
他にも写真の撮り方が例に挙がっていましたが、「学習用」の端末とはいえ、児童はカメラが付いている端末を渡されたら物も人もパシャパシャたくさん撮影しちゃいますよね。勝手に写真を撮られたときの相手の気持ちを考えるというのは、大人であっても大事なモラルですよね!

たくみ
いやあ、いつになく気合いが入ってますねー。 次行ってみましょうー。

みなこ
ICT担当の友田先生より、腰越小学校様の取り組みについてご紹介いただきました。
GIGAスクール実証校として2年目、「まずは使ってみる」の1年目から「より発展的な活用方法の試行」ということで、日常的なツールとしての定着を目指されていると認識しました。また来年度は3年目ということで、個別最適な学びや協働的な学びといった内容を実践されていくとのお話でした!
確かに、本日拝見した教室では児童の皆さんが教科書を持っておらず、iPadを教科書・ノートとして自由自在に使いこなしていて、衝撃的でした。

友田先生の投影資料のイメージ


たくみ
本当に、文房具のように日常に溶け込んでいましたよね。 また、先生のお手本を真似るだけではなく、自分たちであれこれ工夫して図形作成や計算式を試したり写真や動画を貼り付けたりする児童たちもいて、びっくりするほどスムーズに端末操作を行っていましたね。

みなこ
今回の腰越小学校様のように、鎌倉市内におけるすべての小中学校でICTの活用が進んでいくことや、児童・教職員の皆さまも日常的なツールとして端末/クラウドサービスも利用することを考えると、私たちが支援しているネットワークインフラがそれらを阻害しないよう重要になってきますね!
うう、緊張してきました!

たくみ
が、頑張りましょう~!

ICT活用が進む中、2023年3月末には市内全校WANの専用線化を実現されます。環境変更後の状況はまた後日レポートします!(続く