第18話:千葉県立君津商業高等学校の社会人講演会に登壇してみた

連載

先輩、教えて!
GIGAスクールのネットワーク

IIJでは2022年度(令和4年度)から千葉県教育委員会様に学習系ネットワークを提供していますが、縁あってエンドユーザの1校である千葉県立君津商業高等学校様より「キャリア教育」の一環として「けいじ先生」宛に社会人講演会へ登壇の依頼をいただきました。
今回はそのレポートサマリをお送りします。

登場人物

けいじ先生(統括)

やたら先進的な試みを実施しているが実はせっかちとの噂も。先生役を買って出たが思い込みも激しい。 IIJ在籍25年を超える生き字引的レジェンド。

千葉県立君津商業高等学校正面玄関。
お伺いするのは2023年3月のインタビュー訪問以来でした。


けいじ
私、こういった学生さん向けの講演会ははじめてなんです。卒業後は社会人になる生徒さんも多いと聞いて、今日は皆さんを“ビジネスパーソン”と思って、ビジネスパーソン相手に話すようにお話ししようと思います。
私はIIJの一員として、普段文部科学省や総務省宛に施策や企画を提案・提言するロビー活動を主に行っています。

IIJってどんな会社?という導入段階で使用したスライド。
格安スマホって知ってる?という質問にはちらほら挙手してくださる生徒さんも。


けいじ
皆さんの世代は普段インターネットを利用する割合が100%近いですね。
メディアという形でもインターネットの利活用がとても進んでいます。そんな時代の中で、文部科学省が2019年12月に「児童生徒向けに1人1台端末環境の整備を行う」と銘打って始まったのがGIGAスクール構想です。
情報を瞬時に他者と共有することが当たり前の時代において、今後世界に出ていく子供たちが時代に取り残されないような環境が一斉に整えられました。
皆さんはまさにこのGIGAスクール構想の真っ只中にいることになりますね。

今や13~19歳のインターネット利用率は100%近くに。
今の世代にとって端末は学習においても文房具と同格のマストアイテムといえます。


けいじ
Society5.0と呼ばれる時代に突入し、AIの進歩が著しい現代では、今まで当たり前だったことが抜本的に変化すると言われています。
人間の思考に近いことがAIで実現されるようになると、なくなる仕事も増えていく。
これから社会に出る準備を進める皆さんも、このような時代に生きていることを念頭において将来や就く仕事について考えていって欲しいと思います。

文部科学省の概算要求資料から抜粋して紹介した施策の一部。


けいじ
GIGAスクール構想をご紹介しましたが、その構想をベースに文部科学省が国として予算=お金をつけてこれから実現していく施策をいくつかご紹介します。
皆さんにとっては難しい資料に見えるかもしれませんが、国の動きが自分たちの学びにダイレクトに結びつくことを実感してもらえればと思います。
GIGAスクール構想が単発での施策ではなく、5年、10年、15年とかけて行っていく戦略であることが分かると思います。
環境が変われば、学びの形態も変わります。教室などで一斉に集まって授業をするスタイルから、オンデマンド型の動画形式での授業の導入など、柔軟な学びが加速していくことでしょう。

千葉県立学校様向けにご提供しているネットワークの概要図。


けいじ
端末1人1台環境においては、端末と同様にインターネット、ネットワークの存在が不可欠です。
これは皆さんが教室でスマホやPCを使用してインターネットに接続するまでの道筋を表した図です。
一番左側に記載があるように、実は大容量の学術用ネットワークを用いてインターネットに接続しているんですね。とは言っても皆さんの世代は物心ついた頃から自然にインターネットと触れ合っていたわけですから、インターネットってどういう仕組みなのかご存じでない方も多いと思います。
そこでインターネットの構造イメージを図式化してきました。

インターネットの仕組み・構造を図式化した図。
身近な交通機関に例えましたが、少しでもイメージが膨らんだのであればプロバイダ冥利に尽きます。


けいじ
山手線の沿線にある有名な観光箇所に行くとき、最寄り駅から様々な路線を乗り継いで行きますよね。
インターネットも根本的な構造は同じなんです。山手線上の観光箇所を皆さんがインターネット上で見に行きたいコンテンツとし、君津や成田などの駅名が皆さんの端末と考えると、総武線や京葉線などの路線がプロバイダと呼ばれるインターネットに繋ぐための接続ポイントとなります。
実は色んな接続ポイントを経てインターネット上のコンテンツにアクセスしているんですね。

「全問正解者にはカレンダーとIoTで作られたお米をプレゼント!」
講演の終盤では眠気覚ましの突然の漢字クイズも行われ、大盛況でした。


けいじ
最後になりますが、せっかく仕事をするのなら長く続けられる仕事、自分の価値を高めていける仕事に目を向けていって欲しいなと思います。
そのためにはぜひ新しい技術が仕事にどう関わっていくかをウォッチいただきたい。
また皆さんは今とても恵まれた環境にいることを実感して欲しい。
国を挙げて学校のネットワークが拡充されてきている中で、端末を活用して色んな学習スタイルで学びを深めていってほしいです。
皆さんの今後の活躍を期待します!

1学年の全生徒さん、情報処理科の生徒さんの総勢360名ほどが講演会にご参加くださいました。
ご清聴誠にありがとうございました!

IIJは今後もこれからの時代を担う児童・生徒の学びの環境を、インターネット・ネットワークインフラを通して支援してまいります。(続く