第13話:鎌倉市立深沢小学校に突撃!アフターGIGAスクールに必要なネットワーク整備後のリアルを聞いてみた#2

連載

先輩、教えて!
GIGAスクールのネットワーク

児童生徒1人1人のニーズや個性に応じた教育を目指す鎌倉市。2023年3月末をもって、IIJの協力のもと全26拠点の専用線によるSINET接続を実現しました。
今回は2月に伺った鎌倉市立深沢小学校様を再度訪問し、専用線化後のネットワーク接続環境について改めてお話をお伺いしました。

登場人物

けいじ先生(統括)

やたら先進的な試みを実施しているが実はせっかちとの噂も。先生役を買って出たが思い込みも激しい。 IIJ在籍25年を超える生き字引的レジェンド。

みなこ担当

入社1年目、右も左もわからないままいきなり教育業界担当を課せられ困惑している。先輩からの叱咤激励に耐え、日々勉強に励む健気な新人営業。

うえ教頭

鎌倉市立深沢小学校教頭。2021年度までは同市教育委員会の教育指導課にて指導主事を務めてきた、鎌倉市GIGAスクール推進の立役者。

たなか先生

鎌倉市立深沢小学校4年生の担任を務めている。同校「GIGAスクール委員会」の一員として児童生徒の端末利用促進のため日々奔走している。

鎌倉私立深沢小学校様入口の風景


みなこ
今日は今年の2月に訪問した鎌倉市立深沢小学校様に再び来ています!

けいじ
鎌倉市教育委員会様では、この2023年3月末をもって全26拠点を専用線化されました。インターネットの使い勝手がどのように変化したのか、お伺いするのが楽しみです。

うえ教頭
こんにちは。再び登場の教頭うえです。皆さんが気になっているネットワークの体感速度の変化など、今回も率直にお答えします!

みなこ
ありがとうございます!よろしくお願いいたします。ズバリ……専用線に切り替わる前と後、違いはありましたか?

うえ教頭
ストレスなく利用できていますよ!最近はICTの活用頻度も上がり、利活用率が低かったころのサクサクつながる感覚……とまではいかないのが正直なところです。それでも、今はデジタル教科書なども使用するなか、快適に使えているのはインフラ整備のおかげですね。

実際の使用感をiPad端末を見せてもらいながらお話いただきました


たなか
先生
前よりはいいかな、という感覚です。家でインターネットを使っているみたいにスムーズにはなりましたね!それでも画面上でぐるぐるしたまま止まってしまう子はまだいるのが現状です。3階や4階の奥の方の教室など、Wi-Fiが繋がりにくいところもありますね。

けいじ
家だと多くて3、4台の端末が接続する空間である一方、学校は300~500台近くの端末が接続しているはずですからね。そのなかで家の環境と同等に感じてもらえているのであれば幸いです。

うえ教頭
スピードチェックしてみましょうか?数字で見た方が早いですよね。普通教室でチェックしてきまーす!

みなこ
うえ教頭がいない間に……授業内の生徒さんの様子や、他の先生方の感想についてお伺いしたいです!

たなか
先生
Google Classroomが開かない!という声を聞く回数は減りましたね。授業のプリント配布などに使っていますが、以前はログインすらままならないことも多く、ログインし直したりすることもあったんです。奥の教室などで繋がりにくいという声はまだ少し残っています。

けいじ
以前コラムでも少し書きましたが、Wi-Fiの電波干渉や校内の配線の問題かもしれませんね。中々悩みが尽きないのが現実ですね。

うえ教頭
計測してきました!スピードテストの結果がこちらです。放課後ですが、300Mbpsは出ていますね!「使えないから使わない」という選択をしていた先生方も少しずつ意識が変わって、授業にICTを取り込み始めているように感じます。

右が学校。左がLTE(IIJmio)のスピードテスト結果です。
LTEより速いことが分かります。


みなこ
これはすごいですね!!授業形態にも変化はありましたか?

たなか
先生
新たな学びに少しずつチャレンジしています。例えば算数の1つの単元の終わりの2時間くらいは、それぞれがやりやすい方法で学ぶ時間を設け始めました。iPadで自分で学んだり、教科書の問題を解いたり、仲の良い児童同士でグループ学習をしたり、個別に先生に教わったりなど、自由に学ぶ時間を導入しています。

先生方が創意工夫されている現状をお伺いし、驚きと共にとても感動しました。


けいじ
色んな学び方があるということや、自分に合った学習方法に気付くきっかけになりますね。一斉授業だったころに比べたら、1人1人への評価が大変なのではないですか。

たなか
先生
35人分の評価をしないといけないので、一斉授業はしたくなるのが本音です。でも授業の一部は、主体的に自分のやりたい得意な方法で学ぶ時間はあってもいいのかなと思っています。今は内面の自己評価をすることも文部科学省からは求められています。例えば、体育の授業の振り返りをそれぞれが紙で授業内に時間を取って行うことは難しいですが、iPadなら隙間時間に着手してもらえるので便利ですね。

うえ教頭
iPadと、支えるネットワークインフラがあるからこそできることが増えています。グループでの話し合いを録画して、回収してレビューや評価をする先生もいるくらいですよ。更に、生徒のアクションがクラウドで安全に一元管理・閲覧されるようになれば、先生方が端末を回収しなくてもチェックできるので、今後の端末利用を強化していきたいですね。75歳の先生も電子黒板を活用し始めて、デジタル教科書の使い方研修などにも積極的に参加されています。便利なものや子供たちにいいものは取り込んでいこうという流れが生まれましたね。これからも頼みますよ、IIJさん!

けいじ
新しい授業観の芽生えに我々インフラ面も参与できていること、大変光栄です。ICTを通じて先生方の授業観を変え、生徒たちがのびのびと自分のスキルを伸ばしていけるよう、今後も支援してまいります!

みなこ
本日はお時間をいただき、ありがとうございました!

子どもたちの目には見えない部分ですが、ネットワークインフラの重要性を再認識した1日でした。

深沢小学校の更なるICT活用に期待が高まりますね!(続く